| 憲兵とバラバラ死美人 | |
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(1957/日本/74分) [監督] 並木鏡太郎 [原作] 小坂慶助 [脚色] 杉本彰 [出演] 中山昭二、鮎川浩、細川俊夫、小高まさる、倉橋宏明、高松政雄、三村俊夫、明日香実、江見渉、天知茂、西一樹、浅見比呂志、築地博、池月正、館正三郎、加藤章、小浜幸夫、岬洋二、久保春二、児玉一男、若杉嘉津子、江畑絢子、松浦浪路 [評価] ★★☆☆☆ 仙台の歩兵連隊の井戸から女性の首なし死体が発見される。東京から腕利きの憲兵が派遣され、現地の憲兵隊に敵視されながらもたどりついた犯人とは・・・。戦前の軍を舞台とし、さらに嫌われ者の憲兵が主役という異色のミステリー。タイトルほどの怖さはないしミステリーとしての質も低いが、主人公の活躍にはちょっと痛快感も。 |
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ストーリー 日中戦争さだ中の昭和十二年。仙台の歩兵連隊の宿舎内。二人の初年兵が井戸を汲み上げるとひどい悪臭を放っているのに気づきます。調べてみると中から若い女の首なし死体が。しかも妊娠していたことが判明。早速現地の憲兵隊が捜査を開始します。地元の警察も捜査を進めようとしますが、強い縄張り意識から憲兵隊ではこれを拒否してしまいます。 殺害はおよそ半年前。ちょうど、いくつかの部隊が戦地へと派遣された時期でした。捜査は遅々として進まず、首も見つからず、被害者の身元も不明のまま。犯人のめども立たず。事態を重く見た軍は、東京から腕利きの憲兵を派遣して収拾を図ることに決定します。 ほどなく東京から小坂曹長たちがやってきますが、現地の捜査担当者にはまったく協力する気がなく、逆にばかにする始末。対抗意識をむき出しにして小坂らをないがしろにします。しかし小坂は警察に協力を求め、冷静な判断と機敏な行動でたちまち事件の内容を把握。そして近くの陸軍病院に目をつけた小坂。そこで、ふとしたことから、残る首を病院の敷地内から発見します。 一方、現地の憲兵隊は軍の物資を横流しして私腹を肥やしていた恒吉という軍曹を逮捕。付き合っていた女性が行方不明であることから恒吉を犯人と決め付け、無理やり口を割らせようと拷問を始めます。しかし恒吉が犯人であることに疑いを持った小坂。いまだ身元の割れない被害者を明らかにすることが犯人につながると考えていたのですが、ある時、決め手となる方法を思いつきます。そして警察と協力し合ってようやく身元を割り出すことに成功したのですが、その犯人とは・・・。 コメント 何ともおどろおどろしいタイトルが目に付きますが、ホラーとしての要素はほとんどありません。まあ、骸骨が出てきたり、スピリチュアルなモチーフもちょっとは出てきます。当時は多少は刺激的だったのかもしれませんが、今で言えばむしろミステリーのつくりに近いかと。かといって奇抜なトリックがあるとも鋭い推理が展開するとも言いがたく、中途半端感は否めません。しかし時代が時代。身重の若い女性がバラバラにされて井戸に投げ込まれる。なんてのは最大級の猟奇事件だったのではないでしょうか。えっ、知らないのかって? しっ、失敬な。もりじょうの生まれる前の映画ですよ。まったく。 見所は主人公の小坂憲兵が、地元の憲兵に邪険にされながら事件を解決に導くというところでしょう。地元の憲兵たちは、権力を傘に着て威張り散らすことに夢中で、警察すらばかにするほど。そのくせ間違った推理でみずから捜査を混乱させてしまうのです。一方、東京から派遣された小坂憲兵は絵に描いたような温厚篤実な有能な男。地元の憲兵を嫌う警察も積極的な協力を惜しみません。この仙台の老刑事が人懐っこそうないい味を出しています。所々で地元憲兵たちに地団駄を踏ませるあたりはちょっとした痛快感。それから滞在先の小料理屋。ここの若おかみとのロマンスもあったり、と人間ドラマの方の進み具合はなかなかだと思います。 一方、ミステリーとしてのストーリーに緻密さはありません。小阪が死体の首を見つけるあたり、普通に捜査しててもすぐに見つかりそうなものですが、わざわざ霊的なモチーフを使ってシーンを盛り上げようとしています。他にもせりふと行動のつじつまが合わないところもちらほら。さらに、なくてもいいような短いモチーフをはさんでくることも。しかしこれは時代の流れ。やはり1960年以前の前時代的なつくりといえるでしょう。 アクションシーンもほとんど見られず、怖さを感じることもないと思います。まあ、地味な方でしょう。が、作品の質はともかく、74分という時間は実は微妙なところで、これくらいなら結構一気に見れてしまうような気もします。B級映画感覚でちょっと見気分ならそこそこ楽しめてしまう映画でしょう。 | |