| 弟切草 | |
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おとぎりそう(2000/日本/85分) [監督] 下山天 [原作] 長坂秀佳 [脚本] 中島吾郎 / 仙頭武則 [撮影] 小倉和彦 [音楽] 土井宏紀 [出演] 奥菜恵、斉藤陽一郎、大倉孝二、松尾れい子、minoru [評価] ★★☆☆☆ 幼い頃別れた父の死を知り屋敷を訪れた奈美と元恋人・公平。奈美はそこで、父が画家だったこと、姉妹がいたことを知る。さらに部屋を見て回ると子供のミイラを発見。逃げ出そうとした二人だったが・・・。倒錯した世界を独特の映像で描いたサイコ・ホラー。雰囲気づくりに凝った作品だが奇をてらったラストにはがっかり。 |
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ストーリー ある日、奈美は、小さい頃親戚に引き取られてからずっと会っていなかった父が亡くなっていることを知らされます。そして以前恋人だった公平と一緒に父が住んでいた家を訪れることに。公平は小さなゲーム制作会社を仲間たちと運営しており、ゲームのネタを探しに奈美に付き合って来たのでした。 着いてみるとそこは人里離れた広大な屋敷。中に入ると何枚もの絵がかかっています。それを見た公平は、それが著名な画家・階沢蒼一の絵であることに気付くのですが、父が画家であることも知らなかった奈美は知りませんでした。 二人が一部屋一部屋確認して回っていると、ある部屋のオルゴールの中に二人の赤ちゃんの写真を見つけます。裏には奈美と直美の文字が。姉妹がいたとは知らない奈美は複雑な気持ちになります。さらに進むと女の子の人形だらけの部屋を見つけます。しかしイスに座っていたのは本物の子供のミイラ。 驚いて屋敷を出ると外は嵐。車に戻りますがエンジンはかからず、その上大木が倒れてきて命からがら車から脱出します。仕方なく屋敷に戻り、会社にいる仲間に連絡を取り救援を頼む公平。が、ほどなく奈美が何者かに襲われ、間一髪で公平が助け出します。そして襲撃者をさがすうちに、秘密の部屋を突き止めることに成功。その部屋には屋敷中を映し出す無数の監視カメラの映像が。そしてパソコンに入っていた画像を見てみると、そこに映っていたものは・・・。 コメント 脚本や小説、ストーリー企画など多方面で活躍中の長坂秀佳が原案。本作はゲーム化され好評だったものを映画化。人工的な色調を使い独特の非現実感を演出。さらには、猟奇殺人、少年性愛、監禁癖、嗜虐嗜好など倒錯した世界をモチーフにして恐怖感を引き立たせています。ゲーム画面を意識したシーンもありますがこれは賛否両論でしょう。それは置いても、カルト、サイコ、不条理、と、いずれとも呼べる新感覚のホラーと言えます。 物語は奈美と公平が山奥にある奈美の父の屋敷を訪れるところから始まります。そこは弟切草が咲き乱れる広大な洋館。復讐が花言葉だという弟切草。復讐の意味は終盤になって明らかにされます。この冒頭から人工的な色合いの映像。最初は抵抗感もあるのですが、不思議に慣れていってしまいます。序盤は怪しげな要素を巧みなカットでアピール。管理人、かぎ、階段、絵、白黒の映像などなど。 "映画らしく" はありませんがゲームに慣れた世代なら、よりすんなりと入っていけるのではないでしょうか。 やがて発見される二人の赤ちゃんの写真。裏には奈美と直美の文字。姉妹がいるとは知らない奈美。さらに驚くべきことに、子供のミイラを発見してしまいます。さらに謎の人物の襲撃、秘密の部屋、異常な数の監視カメラ。恐怖の演出と謎の提示をバランスよく配置し、見る者をスクリーンの中の密室に引きつけていきます。やや間延びのするシーンもありますが、まあ、許容範囲、と言っていいのではないでしょうか。そして後半では、それまでに張られた伏線の謎が次々と解き明かされていくことになります。 しかしラストのまずさはどうしようもありません。せっかく進めてきた展開。そのシーンをぶつ切りにしてリセット。ゲームのマルチエンディングを想定したのでしょうか。軽快なコメディのような作品ならともかく、見る者の緊張の糸をわざわざ切ってしまうのはどう考えても疑問が残ります。こうなると再び観客をストーリーに引き戻すことは容易ではありません。しかも場所がラスト近く。もはやどんなにインパクトのあるどんでん返しを持ってきても、熱が冷めてしまった観客には通用するものではありません。これも "新しい感覚" なのでしょうか。ちょっとついていけません。個人的には、やはりオーソドックスな映画らしさを重視してほしいところ。 ともあれ、ラストを除けば、ホラーに徹した凝った雰囲気づくりは、なかなか、と言えるのではないでしょうか。枝葉末節を省いたコンパクトなストーリーにも好感が持てます。それだけに残念。気楽に見ると雰囲気に入り込めないし、真剣に見るとラストでしっぺ返し、と、どちらに転んでもいい結果にはならないようです。 | |