| 幸福の黄色いハンカチ | |
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(1977/日本/108分) [監督] 山田洋次 [原作] ピート・ハミル [脚本] 山田洋次 / 朝間義隆 [撮影] 高羽哲夫 [音楽] 佐藤勝 [出演] 高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり、渥美清 [評価] ★★★★☆ 北海道で車の一人旅をする欽也は、途中で朱美をナンパ。が、ひょんなことから勇作という男を乗せることに。やがて勇作が殺人で服役し出所したばかりだと知る。そして勇作は自分の身上を語り始めるのだが・・・。出所したばかりの勇作と彼を乗せた二人の若者との交流を描いた感動のドラマ。日本のロードムービーの頂点。 |
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ストーリー 東京で勤めていた会社を辞め、ひとり、車で北海道までやってきた花田欽也。仲間を誘いましたが皆に断られナンパも失敗続き。しかし網走でようやく一人の女性のをナンパに成功します。彼女、小川朱美は電車の売り子。仕事でトラブルを抱えて傷心のまま一人旅に出たのでした。 ほどなくすると、朱美は欽也にキスを迫られ車を飛び出してしまいます。そして追ってくる欽也から朱美をかばったのが島勇作でした。行きがかり上三人とも車に乗ることになり、その日一緒の宿に泊まることになります。が、そこでも欽也は嫌がる朱美に迫り、また勇作に叱咤されてしまいます。怒った朱美は欽也と別れて翌朝勇作と駅に向かいます。しかし朱美が忘れられない欽也は朱美を追って駅へ。欽也はいい顔をしませんが朱美の誘いで勇作もまた車に乗ることになります。 途中、欽也は腹を下して運転できない状態に。朱美が運転を変わりますがひどい運転でたちまち道路わきに突っ込んでしまいます。何とか車を道路に戻して先へ進みますが、ひょんなことから勇作が運転をすることになります。が、途中で行われていた検問で止められると、勇作の運転免許が四年も前に期限切れであることが分かってしまいます。警官から事情を聞かれ、殺人事件を起こして服役していたことを明かす勇作。そのまま警察署へ連れて行かれます。しかし、偶然かつて事件に関わった情け深い警官がいて見逃してもらえることに。 勇作が外に出ると欽也の車が。二人は勇作を待っていたのでした。車が走り出すと、勇作は今まで話さなかった自分の身上を語り出します。かつては夕張炭鉱で働き、互いに暗い過去を持つ光枝と一緒になると幸せな日々を送っていたという勇作。やがて光枝が妊娠。喜ぶ勇作だったのですが・・・。 コメント 「俺は不器用な男だから口ではうまく伝えられなくて...、もうすがるような気持ちだったんだ...」、という勇作(高倉健)のせりふ。シーンは過去。好きな光枝の乗るバスを勇作が必死に走って追いかけるところ。普段は言葉少なく感情を表に出さない勇作が、光枝を愛する感情を爆発させたシーンです。(もっとも、口下手な割にはみごとなせりふですが) しかも二人ともすでに人生の半ば。何ともいえない淡く切ない感情が伝わってきます。 物語は欣也(武田鉄矢)と朱美(桃井かおり)、それに勇作の現在の姿を描きながら、時折勇作と光枝(倍賞千恵子)の過去がはさまれる形を取ります。表立って欣也や朱美の成長が描かれているわけではありませんが、最初は自侭だった欽也が段々と人を思いやる心を持っていく様がよくわかります。朱美の方も、どこか世間に絶望して生気のなかった冒頭から活き活きとなったラストまでの変遷が丁寧に描かれています。 対して、そんな二人を導いてきた、強くて男気もあるはずの勇作。実は常に過去に捉われていて、現在と立ち向かえない、一人では先に歩けないという弱さが何とも対照的。そして、見事なのは、終盤、"希望"という黄色いハンカチに象徴されるものを三人ともが共有し、そして一体となってそれぞれの決定的な変化へとつながっていく。希望を失っていた勇作、希望を見出せなかった朱美、希望の意味すら知らなかった欽也。そして一見淡白とも思える別れ。しかしこのシーンこそ、三人がそれぞれを思いやり、かつ、みずからの足で未来へ歩みを進めた証明でもあります。 とにかく人情ものなら山田洋二、という印象があります。本作も四人の登場人物同士のかかわりが実に丁寧に描かれていて、しかもそれぞれのモチーフでは、ちゃんと感情移入できるのが実感できます。ただ、展開のペースはややゆったり。思えばこのあたりは日本映画の過渡期でもあるわけです。余談ですが、途中、高倉健がお膳をひっくり返すシーンがあります。なぜか巨人の星の星一徹がちゃぶ台をひっくり返すシーンを連想してしまいました。そういえばキャラもかぶっているような気もしてきて、などと全くもって余計なことを考えてしまいました。 日本のロードムービーの頂点、なんてこと以上に、日本映画を代表する一本、と言ってもいいくらい日本人らしい情感にあふれた映画だと思います。しかも見ているだけで直感的に理解できてしまう分かりやすさ。もう四の五の理屈など必要のない映画ですね。 | |