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eiko(2003年/日本/108分)
cinema review ![]() STORY
エイコは一人暮らしのOL。お人好しのエイコは、ある会社からの帰り道、キャッチセールスにひっかかり、幸福の指輪、ハッピーストーンを96万円で買わされる羽目に。が、本人はこれで幸せになると大喜び。家に帰りひとり喜んでいると今度はこわもての借金取りが訪問。その日は給料日。しかし給料の支払いは明日に延びるといわれたエイコは、それを信じて明日の支払いを約束してしまうのでした。
ところが翌朝会社に行くと、すでにつぶれてもぬけの殻。相談しようとアーチストの恋人・戸田を訪ねるも、エイコに金がないと知ると邪険にされてしまいます。それでも人の好いエイコは、仕事の邪魔だからと勘違いして去って行くのです。しかしアパートに帰りたくても、借金取りが張り込んでいて部屋に入ることができません。困った挙句、社長のマンションを尋ねることに。 が、開いた扉の向こうには見知らぬ老人・江の本が。エイコを見ると、加代、と呼んで家に招き始めます。ほどなく相手がボケ老人だと気付いたエイコ。行くあてのないエイコは、このまま江の本の家に泊まることに。以来住みついてしまいます。一方、その間に戸田は麻薬で逮捕。戸田には他に恋人がいて、恋人だと思っていたエイコは実はカモだったと悟ります。やがて喫茶店でウェイトレスとして働き出したエイコ。ほどなく店を訪れたサラリーマン風の男、川端に言い寄られ、付き合うことになったのですが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
超がつくお人好しのOLの姿を綴ったコミカルなドラマ。「カンゾー先生」で鮮烈なデビューを果たして以来、活躍を続ける麻生久美子ですが、その才能は天性のものなのでしょう。決して大仰な演技ではなく、一方では自然さをかもし出しながら、作品の本質を見事に伝え切っています。
物語の主人公は、一人暮らしのOL、エイコ(麻生久美子)。後に、離婚した両親と別居、孤独な家庭環境であったことが見る側に伝えられます。が、エイコ自身は素直で爛漫。逆にそのお人好しがたたって借金だらけに。おまけに会社は倒産。借金取りに部屋を見張られ家には帰れず。麻薬漬けの恋人(玉山鉄二)にも相手にされず、困って社長の家に。が、そこには見知らぬボケ老人・江の本(沢田研二)が。行くあてのないエイコは、勧められるがまま住み付いてしまいます。 お人好しぶりが仇になるシーンが前半続き、江の本との交流が中盤のメインとなり、一気に情緒的な趣となります。やがて恋人・川端(袴田吉彦)もでき、その性格が報われたか、と思いきや、恋人は実は悪質なセールスマン。しかも、裏で糸を引いていたのは、ボケを装っていた江の本。江の本は実は占有屋。そしてエイコは、偶然から、信じ切っていた江の本の真の姿を知り、ついに人間を信じなくなってしまうのです。 痛々しい展開で見る側の感情を刺激し続ける中盤。が、江の本はそんなエイコの純粋ぶりに、徐々に惹かれていきます。さらに、ひそかに探偵・大野(阿部サダヲ )を雇い調べさせ、哀しい家庭事情を知ると、罪の意識が一気にもたげてくるのです。そして、江の本は、エイコのために危険な賭けを冒すわけです。 終盤はやや取り留めのなさが目立ちます。どこで終わっても良い、というシーンが続き、ここまで絶妙の展開を見せてきた物語はちょっと息切れの感。それでもエイコの魅力に注目を集め続けて押し切ってしまった印象があります。逆に、江の本の複雑な過去が語られた割には感情移入度は今ひとつだったかもしれません。 最後は小さな幸せを目前にしたエイコの姿。一度は人を信じられなくなったエイコでしたが、江の本の過去を知り、大野の真摯な態度に触れ、再び自分を取り戻すことになるわけです。つまりは一人の女性の挫折と再生の物語。本作の要はエイコへの感情移入を高める点にあり、その点は見事に成功したといえるのではないでしょうか。 |
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本作で久々にスクリーンに復帰した沢田研二。本作のボケ老人役には少々若すぎですが、代表作である「太陽を盗んだ男」(1979)ではクールな教師が見事にはまり役。これは原子爆弾をつくる男を描いた娯楽サスペンス映画でした。
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