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緯度0大作戦(1969年/日本・アメリカ/89分)
cinema review ![]() STORY
1969年、南太平洋上の赤道付近。海洋観測船ふじが海流調査のため潜水艇を海中へ出動させる。乗組員は、海洋学者の田代博士、地質学者のマッソン、専属記者ロートンの3人。しかしこの時海底火山が噴火。潜水艇は遭難してしまう。3人は気を失い絶望視されるが、気がつくとアルファー号という国籍不明の潜水艦の中だった。
そこで、アルファー号が1804年に進水し、速度は80ノット以上と聞き驚く。そしてマッケンジー艦長に会ってさらに驚嘆。マッケンジーは天才科学者で、年齢は何と204歳になるというのだ。間もなくアルファー号は帰港の途につく。同じ頃、悪の天才科学者・マリクは、潜水艦・黒鮫号の女艦長・黒い蛾にアルファ号撃沈を命令していた。マリクは自分の悪行の邪魔をするマッケンジーを葬る機をうかがっていたのだ。 しかしマッケンジーは黒鮫号の執拗な攻撃を振り切って帰還。そこは海底20000メートルに造られた海底都市だった。町には高度な科学力で人工太陽や湖もつくられ、住民は争いごともなく平和に共存。3人はこの海底都市にすっかり魅了される。 そんな中、ノーベル賞受賞者の岡田博士が拉致されたとの報が入る。博士が発明した放射能免疫血清を手に入れるためにマリクが仕組んだのだ。そこでマッケンジーと3人は、博士を救出すべくマリクの基地へ向かうことに。が、マリクはマッケンジーを待ち受けるべく準備を進めていた ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
監督・本多猪四郎+特撮・円谷英二の黄金コンビで製作されたSF特撮映画。主演はなんとジョセフ・コットン。「第三の男」や「市民ケーン」が懐かしい往年のハリウッド・スター。日本がらみでは「トラ・トラ・トラ!」にも出演しています。悪役のシーザー・ロメロは名脇役として有名で、「バットマン」のジョーカー役などおびただしい数の映画・TVドラマに出演。本作でも抜群の存在感を見せつけています。その情婦役を務めたパトリシア・メディナはジョセフ・コットンの妻、ということで、なかなか話題の豊富な映画でもあります。片や日本の俳優陣も、宝田明、岡田真澄等ビッグネームが集まっていますが、いずれも脇役的存在。日本の特撮映画と言って良いでしょうから、、この点、異色作としてだけでも十分注目に値します。
緯度ゼロ、とはもちろん赤道のこと。本物語の舞台となります。南太平洋海中で遭難した潜水艇。乗り組んでいた田代博士(宝田明)、マッソン(岡田真澄)、ロートン(リチャード・ジェッケル)はマッケンジー艦長(ジョセフ・コットン)率いる謎の潜水艦アルファー号に救助されます。やがて潜水艦は海底都市へと帰港。そこは政治も争いもない理想郷。が、悪の天才科学者マリク(シーザー・・ロメロ)が暗躍。やがて3人はマッケンジーと共にマリクとの対決の時を迎えるというわけです。 空飛ぶ潜水艦、浮遊装置、弾を跳ね返す免疫など、物語中はアイデアの宝庫。さすがに特撮技術は今とは比べるべくもありませんが多彩さがあって飽きることはありません。ただし、科学的根拠や脈絡の多くは省かれておりリアリティは希薄。マッケンジーやマリクが200歳を超えて生きる秘密、二人が善と悪に別れた経緯など、明らかにはされません。そのためにせっかくの突飛な発想も荒唐無稽のまま終わってしまうことがあり、どうしても家族向け・子供向けの感を強くします。ただし、その分スピーディな展開ではあります。90分を一気に見れる面白さは十分です。 一方では作中、人間とライオンと鷹を手術で合体(怪物グリホン)させる生々しいシーンも。さらに薄暗い洞窟にこうもりなど、いかにも怪奇的な雰囲気も醸成しています。このあたりは、フランケンシュタインやE・A・ポーといった欧米伝統の怪奇嗜好を連想させます。また、物語の背景に、当時の社会不安であった東西冷戦を置いています。終盤、記者がマッケンジーに聞きます。発明を地上に教えないのか、と。しかしマッケンジーは、世界が平和になったら ・・・ と。モラルへの啓蒙を説くのも、当時の日本のSF特撮ものの特徴でした。 全体的には典型的な勧善懲悪型のストーリーと呼べるでしょうか。アルファー号や黒鮫号といったメカの部分も良くできており興味のある人には楽しめそうです。ミニチュア特撮もの、ヒーローもの、怪奇もの、といった多方面の要素を盛り込んだことにより様々な楽しみ方に対応しているのもうれしいつくりです。ただし、捉えようによっては中途半端と見れなくもありません。筆者は歳のせいか若干物足りなさの方が勝ったようですが、単純娯楽作と割り切れば、さほど好き嫌いが出るような映画ではないと思います。特にこの手のマニアにはたまらない一本かもしれません。 |
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