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黄金の犬(1979年/日本/132分)
cinema review ![]() STORY
犬のゴロは北守らに連れられて東京から北海道へ狩りに訪れます。しかし熊に襲われ北守が救急車で病院に向かう間に見失ってはぐれてしまいます。一方、その近くで放浪する二人の男、通産省の武器課長・永山と記者の大橋。船舶の取引に絡む汚職をかぎつけた大橋が永山を恐喝。永山は上司の局長に金を支払ってもみ消すことを進言しますが、逆に大橋ともども殺し屋に狙われる羽目になり、北海道まで逃亡してきたのでした。
しかしすぐに追っ手に見つかり、大橋は殺されてしまいます。永山は何とか逃亡。途中、主の家・東京へ向かおうとして弱っていたゴロを見つけ、共に旅をすることに。その頃、大橋の事件を追う刑事・安高と倉田は、大橋と高級クラブで飲んでいた永山の存在を知ります。しかし永山が行方不明と分り居場所を探し始めることに。 一方、東京では冷酷な殺し屋・田沼が、親子心中に見せかけて永山の妻子を殺害。テレビニュースでそれを知った永山は、事件の暴露と復讐を決意。証拠の契約書を写したマイクロフィルムをゴロの首輪に隠し、東京へ向かいます。しかし途中、襲われていた女を助けたことから新聞記事になってしまい、居所が公に。田沼はそれを見て青森へ。そして安高も事件の裏を探り始め、永山とゴロの保護に動きはじめます。さらに、北守の妻・礼子はゴロを探しに青森へやって来ます。しかし狡猾な田沼は、ゴロをおびき寄せようと礼子を誘拐。安高と倉田はそれに気付いて救出しようとするのでしたが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
西村寿行原作のサスペンス。1970年代は世相を反映してか、日米とも社会派、あるいは人間の内側を描く映画の割合が多かったようです。本作も政治家・役人の汚職というモチーフが根底にあり、わずかではありますが、社会派の装いも備えています。が、実際はバイオレンス映画と呼べるでしょうか。謎を追うという構成は希薄と言えます。
物語の主人公は犬のゴロ(GORO)。北海道で主人とはぐれ、帰巣本能に従い東京へと向かいます。途中弱っていたところを永山(夏八木勲)という男に助けられ、ここから、汚職事件に巻き込まれることになるわけです。筆者は詳しくないので、このゴロが何犬なのかわかりません。どうも秋田犬か紀州犬らしいとのこと。とにかく、ゴロはあまり表情豊かではないので、このせいでちょっと淡白なイメージになってしまっています。一方では精悍さをアピール。女の子を救ったりアザラシと戦ったり、と、なかなか芸達者。動物映画の醍醐味と言えるかもしれません。 事件を追うのは刑事・安高(鶴田浩二)。ゴロの主・礼子(島田陽子)もかけつけ、こちらはゴロを探すのに奔走。しかし、事件をもみ消すべく雇われた殺し屋・田沼(地井武男)が立ちはだかるというわけです。これがまた冷酷な男で、刑事・倉田(森田健作)や永山などは後半殺されてしまいます。それどころか仲間まで平気で殺してしまい、凄惨なイメージを植え付けています。 内容に比して二時間十分はちょっと長いような気がします。途中、意味が希薄なカットやモチーフがいくつかあったりして、せっかくのテンポ感を削いでしまっています。また、田沼と永山・安高らの対決もちょっとしつこい感じ。そのくせ最後どうなったかまでは描かず、煮え切らなさを出してしまっています。が、さすがによく練られたプロットで、ストーリーには引き込まれる魅力を感じます。多かれ少なかれ、映画のつくりにはやや不満が残ったのではないでしょうか。 全体を振り返ると、ミステリー色のかわりに、派手なバイオレンス・シーンが随処に挟まれ、当時の日本娯楽映画の潮流を覗かせていることがわかります。今見るとややえげつなさを感じますが、当時はあまり感じなかったように思います。歳のせいなのか時流が変わったのか。いずれにせよ面白さは十分。特に犬好きなら必見の映画でしょう。 |
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本作の原作は人気ミステリー作家、西村寿行。実は前年にも犬が活躍する「犬笛」が映画化されています。こちらはアイヌ犬だとか。出演は菅原文太、酒井和歌子。
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