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俺は忍者の孫の孫

(1969年/日本/81分)

[監督]福田純
[原作]山田風太郎
[脚本]桜井康裕、伊達八郎
[撮影]逢沢譲
[音楽]広瀬健次郎
[出演]萩本欽一、坂上二郎、高橋紀子、柏木由紀子、重山規子、藤岡琢也、大辻伺郎、由利徹、曽我廼家明蝶、柳家金語楼、たんくだん吉、いわたがん太、伴淳三郎

[内容]

 伊賀欽一は自殺志願の甲賀二郎なる男を助けようとするが実は有名になるための狂言で逆に迷惑がられてしまう。そして人間不信となった欽一の前に、祖先だという老人が現れ、甲賀二郎は憎むべき甲賀忍者の末孫だと告げられる。さらに忍法相伝の書を授けられ、早速甲賀二郎に挑戦。にわか忍術を試すのだったが ・・・。コント55号の忍者コメディ。近未来を思わせる純洋風のセットなのに、古めかしい忍者姿の萩本欽一がなんともアンバランスでおかしい。奇想天外な忍術に痛快なストーリー、と、お気楽コメディとして今でも十分に楽しめる。
[評価]★★★☆☆

cinema review

STORY

 ある日、消防署員の伊賀欽一は焼身自殺を図る一人の男・甲賀二郎を発見。助けようと近付くが、二郎の、政治腐敗に抗議するとの演説にほだされ、自殺を手助けすることに。慌てたのは二郎の方で、実はマスコミに出て有名になるための狂言。本当の目的は結婚相手を探すためと聞いて、今度は欽一が驚き、人間不信になってしまう。
 目論見どおり有名になった二郎は早速テレビにゲスト出演。再び政治批判を繰り返し、さらに名を上げる。一方の欽一は、それを見てますます二郎への嫌悪の思いを強くしていた。そんな時、欽一の前に、伊賀白雲斎と名乗る老人が現れる。老人は忍者で、欽一の祖父の祖父だという。そして欽一に忍法相伝の書を授け、ライバルである甲賀忍者の末孫・甲賀二郎を倒すよう告げて消えてしまうのであった。
 にわか忍術を覚えた欽一は早速テレビ局に乗り込み、二郎に決闘を申し込む。覚えたての忍術を使う欽一に対して、二郎は手品で対抗。欽一の術を破りますます人気が上がってしまう。さらに、二郎の人気に目をつけた日本平和党の相良総裁が出馬を要請。これを受けた二郎は政治活動に精を出すようになる。
 一方、不甲斐ない欽一の許には、田吾作と権兵衛なる手下が白雲斎から派遣されていた。そんな中欽一は、日本平和党のライバル・大日本太陽党の鷲塚幹事長から、二郎の人気を落とすよう頼まれ、再び二郎に対抗。田吾作・権兵衛とともに、次々と忍術を駆使して二郎の政治活動を妨害しようとするのだったが ・・・。

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COMMENT

 コント55号主演映画。忍者モノで有名な山田風太郎原作。以前作られた二本の「大弱点」シリーズはごく普通の東京が舞台で、ストーリーもリアリティのあるものでした。本作では背景をすべてカラフルな洋風なものしにしており、近未来の雰囲気すら感じさせます。古めかしい忍者モノなのにこのアンバランスさが秀逸。内容もハチャメチャ・コメディとなっており、子供でも楽しめるつくりとなっています。
 物語の主人公は伊賀忍者の末孫、伊賀欽一(萩本欽一)。伊賀とくれば甲賀というわけで、もう一方の主人公は甲賀忍者の末孫、甲賀二郎(坂上二郎)。ある時、欽一の前に、祖父の祖父だという老人(萩本欽一・二役)が現れて、甲賀二郎を倒すよう告げます。そして忍術相伝の書を授けるというわけです。折しも二人は妙な因縁で犬猿の仲。欽一は選挙に立候補した二郎をにわか忍法で妨害。が、ことごとく裏目に出て、二郎の人気はますます上がってしまうことになります。
 今回はなぜか二郎の方が嫌味な二枚目役。マスコミを利用して有名になろうという魂胆なのですが、なぜかモテモテ。へんてこな忍術を使うも成功したためしのない欽一の方が、モテない三枚目となっています。マドンナ役は一応は、柏木由起子(鷲津亜矢子)と中華店店員のツナ子(高橋紀子)ですが、恋愛モノの方の展開はほとんどなし。大人が見るにはちょっと物足りなさを覚えるつくりかもしれません。ただし、80分と、かなりコンパクトな作品なのでストーリーとしては簡潔感はあります。
 そして終盤はコメディならではの痛快度を醸成。食べるとたちまち妊娠してしまう卵、をめぐって大騒動が起こることになります。これが男でも妊娠してしまうという突飛なもの。男のおなかに子供がいるレントゲンはちょっと悪趣味のような気はしますが、十月十日ならぬ十日十時間で出産するおかしさは十分。生まれました、と言って看護婦に抱かれて登場してくるのも赤ん坊の人形。単なるおふざけのモチーフなのでしょうが、今見ると、ブラックにもシュールにも見えてくるから不思議です。
 とにかくも、最後は、敵同士だった欽一と二郎もなぜか手を組むようになって、悪い政治家を懲らしめるという展開。最後までスピーディな進行は止まらず、結果として飽きの来ないつくりとなった気がします。深みはありませんが、純粋にお気楽に楽しめるコメディ映画。暇な時に見て楽しむにはもってこいの作品ではないでしょうか。

(東宝)
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