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コント55号 宇宙大冒険

(1969年/日本/72分)

[監督]福田純
[脚本]ジェームス三木
[撮影]逢沢譲
[音楽]広瀬健次郎
[出演]萩本欽一、坂上二郎、川口浩、高橋紀子、由利徹、左卜全、梅津栄、南利明、伴淳三郎

[内容]

 幕末、天敵同士の志士・坂本桂馬と新撰組・芹沢角は、芸者・小菊の取り合いがもとで宇宙人ドグマに捕まり、UFOでパラド星へと連れて行かれてしまう。パラド星では人間は無気力化し文明は停滞。そこで闘争心を呼び起こすべく、二人を争わせようとするのだったが ・・・。コント55号のハチャメチャ・コメディ。二人の武士がUFOで宇宙へ、という奇想天外なストーリー。リアリティ無視のシチュエーションでこりゃお気楽ムービーか、と思いきや終盤は意外にもシュールで辛口。アンバランスではあるがともかくも見応えは十分。
[評価]★★★☆☆

cinema review

STORY

 時は幕末、文久二年の京。ある遊郭の一室では、勤王党の志士・坂本桂馬が芸者の小菊を口説いているところだった。そこに割って入ったのは志士の天敵、新撰組隊士の芹沢角。芹沢もまた、かねてから小菊に言い寄っていたのだ。そして二人は外に飛び出し決闘することに。が、その最中、謎の虚無僧が現れ、なんと小菊が板ばさみに苦しみ尼寺へ行ったと告げるではないか。二人が慌てて虚無僧についていくとそこはUFOの中。UFOは二人を乗せるとさっさと地球を飛び立ってしまう。
 虚無僧は、実は自分はパラド星から来た宇宙人ドグマだと名乗り、パラド星を救うためにどう猛な地球人を連れてくるよう命じられたのだという。そこで選ばれたのが坂本と芹沢だったのだ。途中、地下帝国に襲撃されたパラドの基地を発見すると、争いごとをしないパラド人に代わってさっそく二人が出動。小菊の活躍もあって敵の親玉・青ひげを倒し、氷漬けにされていた美女たちを救い出す。
 UFOはやがてパラド星に到着。パラド星は地球そっくりの平和な星で、地球よりも進んだ文明を持っていた。しかしいまや星の人間は皆無気力化し、文明は停滞していた。そこで野蛮な地球人を連れてきてパラド人の闘争心を呼び起こそうというのだったが ・・・。

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COMMENT

 コント55号のハチャメチャ・コメディ。ジェームス三木を脚本に迎えただけあって、ストーリーのおもしろさは上々。奇想天外なストーリーのかわりかどうか、中身は意外に円熟。スクリーンでのコント55号もすっかり板についた感があります。一方、前半徹底したおバカムービーか、と思っていると終盤にはシリアスなテーマも顔をのぞかせており意外な展開。ただし、バラエティに富むと見るかアンバランスな構成と見るかは微妙なところです。
 「宇宙大冒険」ということで現代か未来が舞台、と思いきや、なんと幕末の京から物語ははじまります。そこ現れたのは勤王の志士・坂本竜馬、ならぬ坂本桂馬(萩本欽一)。さらに泣く子も黙る新撰組隊士・芹沢鴨、ならぬ芹沢角(坂上次郎)。この二人、それぞれ将棋の桂馬と角のように斜めにしか歩けない、というなんともおかしな設定。いちいちピョンピョンと飛び跳ねて歩き、観ている方も疲れてしまうのですが、これで映画の最後まで通してしまうのですから、もうご立派というしかありません。
 とにかくも、この二人が想いを寄せる芸者・小菊(高橋紀子)を取り合っているところに宇宙人ドグマ(川口浩)が現れ3人を拉致。はるか彼方のパラド星へ連れて行かれてしまいます。途中には悪徳宇宙人・青ひげ(伴淳三郎)が登場。地下帝国の君主、と威張る割には手下は一人もいないようで、しかも日本語をしゃべった、と面食らうのも束の間、小菊となぜか野球拳をはじめてしまいます。なぜ宇宙人が野球拳なんだろう?、などと思っていると、お次はクレオパトラやジャンヌ・ダルク、マリリン・モンローが登場。しかし話すのは皆日本語、パラド星でも同じ。会話は日本語、看板は漢字、と、安易なのかめちゃくちゃなのか。ところが、地球人はやたらと宇宙船を打ち上げるので非難されている、などと妙にリアルなセリフもあったりします。
 ストーリーの方は、ドグマが二人の武士を連れてきたのは無気力化したパラド星人のためであることが後半判明。地球人二人を争わせることでパラド人の競争心を呼び覚まそうというわけです。ここまで、もうこれはお気楽コメディだろうと踏んで楽しんでいたのですが、このあたりからは徐々にシュールになって行きます。二人を囲むのはプライバシー無視の行き過ぎたマスコミの取材。やがて闘争心が過剰となり理由もなく争い始めるパラド人。果ては核戦争へと発展。つまりは現代地球そのものであって、地球そっくり、という安易さも、実は現代の地球が抱える問題を暗示している、と気付くと、一転巧みなプロットのようにも思えてきます。
 最後は案の定、二人の武士は現代日本に帰還。地球の平和を訴える見事な結末。といきたいところですが、そこはコメディ。ちょっとしたオチが二人を待ち受けるわけです。実は、宇宙船の1日は地球での1年に当たる、と説明していますから、片道2年半・往復5年なら1800年余りが過ぎているわけで、計算はまったく合わなかったりします。さらに小菊は二人の子をそれぞれ生むのですが、どう見ても同じ年齢の子供に見えます。人体の不思議か文明の進化のたまものなのか? この点、シチュエーションのいい加減さは最後まで変わらなかったようです。
 核問題や争うことの愚かしさなど切実なテーマをめちゃくちゃなシチュエーションとストーリーで描き切る。なんともカルト的な装いで個人的には好みの範疇です。が、一般には、真面目なのか不真面目なのか、このバランス感覚をどう受け止めるかが満足度の分かれ目になりそうな気がします。

(東宝)
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「八代将軍 吉宗」
「独眼竜政宗」
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