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機関車先生

(2004年/日本/123分)

[監督]廣木隆一
[原作]伊集院静
[脚本]加藤正人、及川章太郎
[撮影]鈴木一博
[音楽]国吉良一
[出演]坂口憲二、堺正章、倍賞美津子、大塚寧々、伊武雅刀

[内容]

 瀬戸内海の離島に、剣道中の事故で声を失った教師・吉岡誠吾がやってくる。口を利かんから機関車先生と騒ぎ立てる7人の子供たちだが、たちまち誠吾と深い絆で結ばれるようになる。が、その一方では、網元たちが誠吾を追い出そうと動いていた ・・・。昭和30年台の小さな小学校を舞台にした人間ドラマ。オーソドックスにすぎるつくりだが堅実な感動作。
[評価]★★★☆☆

cinema review

STORY

 香川県。瀬戸内海を臨む離島、葉名島。島唯一の小学校、水見色小学校校長・佐古の許に手紙が届く。それは30年前に追われるようにして島を去った吉岡文子からのものだった。佐古が代用教員の派遣を要請して、それに応えて志願してきたのが、文子の息子・吉岡誠吾だったのだ。しかし誠吾は、剣道の試合中の事故で声を失い、話すことができなかった。
 島の子供たち8人(うち生徒7人)はそんなこととも知らず、口も利かず校長の問いにうなずくだけの誠吾に、口を利かんから機関車先生、とあだ名する。やがて最初の授業で口を利けないことを知り子供たちは驚く。しかしその優しさと包容力に触れ、すぐに親しみを覚えるようになる。
 一方、島の網元は、口を利けない先生を派遣するとは、と怒り出し、誠吾を追い出す運動をはじめる。それを払拭するために授業参観が行われるが、誠吾の見事な授業振りを見ても網元だけは納得しない。
 誠吾と子供たちの絆が深まる中、やがて島には、誠吾を追放するという話が持ち上がってしまう。そこで子供たちは、網元よりえらいと信じる、誠吾の下宿先のよねばあに相談。するとよねは、一つだけ引き止める方法がある、と子供たちに言うのだったが ・・・。

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COMMENT

 伊集院静の柴田錬三郎賞受賞作の映画化。アニメにもなりましたので、かなりメジャーな作品という印象があります。普通なら障害を持った生徒を励ます先生という構図ですが、本作は逆。言葉を失った教師の苦悩と奮闘の姿をさわやかに描き出しています。
 物語の舞台は瀬戸内海の架空の島、葉名島。この小さな島の小さな小学校に代用教員の誠吾(坂口憲二)が赴任。しかし誠吾は事故で声を出すことができませんでした。学校の生徒は7人。機関車先生とあだ名された誠吾と、子供たちとの暖かな交流が始まるのです。
 映画では、誠吾は剣道の試合の事故で声を失ったことになっています。これが物語中、子供たちの誠吾に対するイメージを支配していて、さらに終盤では、剣道大会への出場で、でみずからの苦悩を克服するくだりにまで昇華されて行きます。このあたりは誠吾個人の癖のない人間ドラマになっていて、好感度を高めています。
 しかし一方では、網元(伊武雅刀 )を中心に、口の利けない誠吾に対する排斥の動きも出てきます。校長(堺正章)や下宿先のよねばあ(倍賞美津子)がかばおうとする一方、子供たちも誠吾を引きとめようと動き始めるわけです。その途中には、台風での遭難や、絵のコンクールなど、個々の生徒とのモチーフもあって物語の情感を高めています。
 ただ、口が利けない先生の奮闘気であるにもかかわらず、かなりせりふに頼ったつくりなのは残念。特に、複雑な事情で島を去った主人公の母親の話はかなりのドラマ性ですが、すべてせりふによる説明。やや冗漫となってしまった感はあります。もう少し再現シーンやイメージシーンが入っていればずいぶん印象は違ったでしょう。
 オーソドックスなストーリーもてつだって、地味なつくりであることは否めません。が、それだけに、やりすぎのない堅実なつくりとも見れます。ほどよい娯楽性にほどよい感動、と、小ぶりながらも実はバランスに優れた映画なのかもしれません。

(ハピネット・ピクチャーズ)
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廣木隆一関連作
(いたいふたり、ラマン)
坂口憲二関連作
(恋ノチカラ、さとうきび畑の唄)
堺正章関連作
(ちゅらさん、西遊記)

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