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無責任清水港(1966年/日本/94分)
cinema review ![]() STORY
江戸時代。追分の三五郎は東海道を旅していたが無一文となり三日間も食えずじまい。しかしある宿場町にたどり着くと、一膳飯屋に入り次々と飯と酒を注文して平らげる。そして悪びれもせず借用書を置いて帰ろうとするが通用するはずもなく、無銭飲食で牢屋に入れられてしまう。
そこで牢名主となっていたのは、清水の次郎長の子分・森の石松。三五郎はいきなり袋叩きにあいそうになるが、逆にいかさまさいころでやり返し、あっという間に牢名主にのし上がってしまう。さらには勝手に牢を抜け出して目明しから掏った金で飲み食い。三五郎はさいころ、縄抜け、錠前破り、すりの達人だったのだ。 やがて石松は放免され清水へ帰って行く。三五郎も放免となり清水へと流れ着く。途中、野犬に襲われている娘・お雪を助け、お礼にありつこうとするが図々しさが災いして失敗。仕方なく近くにあったひさごなる飯屋で再び借用書作戦を試みようとする。早速店の娘・お美代に次々と酒と飯を注文。が、意外にもお美代はお代はいらないと言う。世話になっている次郎長親分の所にわらじを脱ぐ人からは金は受け取れないと言うのだ。 ところが、ちょうどそこにいたのは、次郎長一家と反目する鷹岡の勘助一家の子分たち。三五郎のホラ話がもとで怒らせてしまい、腕利きの用心棒・大河原玄蕃と決闘する羽目に。何とか隙を見て逃げ出したものの、仕返しが恐くて次郎長一家に居候として入り込む。そしてしばらくして、次郎長一家が火の車と知った三五郎。石松とともに鷹岡一家の賭場に出かけ、得意のいかさまで一稼ぎしようとするのだったが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
クレージーキャッツの時代劇作品。ビデオなどでは「クレージーの無責任清水港」となっていますが、スクリーン上のタイトルには「クレージーの」の文字はなく、分類泣かせのタイトルとなっています。ともかくも本作は第三作目の時代劇。後に続篇もつくられていますが、ネタ元は清水の次郎長の物語となっています。主人公はじめ多くはおなじみの人物ばかり。親しみやすさもてつだってか、絶妙の娯楽時代劇に仕上がっているようです。
物語の主人公は、信州沓掛の生まれ、追分の三五郎(植木等)。つまらない自慢話がきっかけで鷹岡の勘助一家の恨みを買い、匿われついでに清水の次郎長(ハナ肇)一家に厄介になることに。そこで次郎長一家の家計を助けようと一計。森の石松(谷啓)とともに勘助一家の賭場へ乗り込み、いかさまさいころで荒稼ぎ。が、これがばれて大騒動に発展してしまうわけです。 主人公の三五郎はタイトル通りの無責任男。でまかせにホラ話、と、口先だけのダメ男と思わせつつ、その実、いかさまさいころに縄抜け、錠前破り、と裏道の技は超一流。その上、逃げ回る割には剣の腕前も相当なもので、二人の剣客、大河原玄蕃(藤木悠)と横山隼人(田崎潤)とも堂々と渡り合っています。このあたりのご都合主義はご愛嬌と言えるでしょうか。個人的には、迫力あふれる殺陣を見たかったところですが、残念ながら殺陣もコメディに終始。まあ、かえって殺伐とした雰囲気からは遠ざけられてよかったかもしれません。 今回、清水の次郎長役はハナ肇。「花のお江戸の無責任」の播隋院長兵衛とちょっとダブってたりしますが、そのせいかどうか出番は控え目。いずれにしても親分役は天下一品と言えるようです。今回のマドンナ役は次郎長の娘・お雪(浜美枝)。ほかに森の石松が想いを寄せるお美代(高橋紀子)、次郎長の女房・お蝶(団令子)、と、おなじみの顔がそろって出演。いつものごとく華やかさと叙情性をきっちりと醸成させています。 作中には仇討ちの話も絡まり盛りだくさん。ただし、様々なエピソードを盛り込んだせいか若干統一感は薄らいだように見えます。登場人物も膨大で、序盤の目明し多吉(田武謙三)、次郎長の子分、大政(平田昭彦)・小政・大瀬の半五郎・法印大五郎など。犬塚弘にいたっては追分の三四郎として、とってつけたようなワンシーンのみの出演。ちょっと雑然とした感はありそうです。しかしキャラクターがおろそかになっているわけではなく、それぞれに印象に残すあたりはさすがです。この意味では長年積み重ねてきた円熟味も伺い見えます。 物語は最後、義理人情など信じないはずの三五郎が次郎長を救うべく奔走。人情ものの趣を演出して幕となっています。深みはほとんど感じませんが、全編明るい雰囲気のお気楽コメディで、ほどよい爽快感があとに残ります。万人が楽しめる作品ではないでしょうか。 |
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