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レイクサイド マーダーケース(2004年/日本/118分)
cinema review ![]() STORY
その日の朝、並木俊介は取引先のカメラマン・高階英里子との情事のあと、姫神湖畔のログハウスへ向かう。そこでは、ある名門中学受験の親子合宿が行われていた。俊介の12才の娘・舞華も参加しており、俊介が着くと妻・美菜子がすでに待っていた。他には、この別荘の持ち主・藤間智晴・一枝夫妻、関谷孝史・靖子夫妻、そして彼らの子供たちと塾の講師・津久見勝が参加している。しかし、実は俊介と美菜子は別居中で、受験のために仲のよい夫婦を演じることになっていた。
が、ほどなくそこに、愛人・高階英里子が現れる。仕事の資料を届けに来たと言ってすぐに帰るが、夜、再び英里子はログハウスに現れ、皆と夕食を共にする成り行きとなる。英里子は近くにあるレイクサイド・ホテルに部屋を取ったらしい。そしてホテルで待っているとひそかに鍵を渡してくるのだった。一方、美菜子には不思議な予知能力があり、英里子が水の中に沈んでゆくイメージが浮かび不安を抱く。 やがて子供たち3人と津久見は別の貸別荘へと去り、英里子もホテルへ帰ってゆく。しばらくして俊介も仕事と称してログハウスを抜け出す。しかし思い直して途中で引き返すことに。すると、ログハウスの居間にはなぜか5人が集まっていた。そして床に横たわっている死体に気付く。それは英里子のものだった。そばには割れた花瓶。続いて美菜子が、彼女を殺したのは自分だと告白する。俊介と別れなければ愛人関係を娘と学校にばらすと脅されたという。 俊介はすぐさま警察に連絡しようとする。が、皆がそれを止める。事が露見すれば受験に影響するから、死体を処分して何もなかったことにすると5人はいうのだ。皆はすでにそのつもりらしい。納得のいかない俊介だったが美菜子に説得されて協力することに。そして深夜、俊介と藤間とで死体を姫神湖に沈めるのだったが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
人気作家・東野圭吾原作の映画化。東野圭吾の悲劇好き、とは筆者の昔からの印象ですが、本作ではさほどではありません。むしろ小学生の受験戦争を滑稽化したところがあり、あるいは社会派作品に近い気がします。ただし、社会派としてもミステリーとしてもやや中途半端となったことは否めません。原作をアレンジして挑んだ映像化ですが、どこまで深みを創出できたかは微妙なところかもしれません。
物語の主人公は並木俊介(役所広司)。娘の中学受験のための親子合宿に参加。場所は田舎町の別荘地にあるログハウス。しかしそこに、俊介の愛人・英里子(眞野裕子)が突然現れます。そして夜、俊介が外出して戻ると、居間には五人の親たちが集まっており、床には英里子の死体が横たわっていたのです。 実は俊介は妻・美菜子(薬師丸ひろ子)と別居中。さらにこの美菜子というのがちょっとした超能力の持ち主で、未来のイメージが見える、のだそうです。ただ、このモチーフはフルには活かされていません。ラスト、唯一、未来はそれぞれの中にある、というセリフへと帰結しています。しかし一方で美菜子は、受験によって子供をレールの上に乗せようとする親の心情もあらわにしており、皮肉なシーンとなっています。いずれにしてもこの超能力モチーフについては、もったいなさは否めません。 私が殺した、と告白する美菜子。スキャンダルによる受験への影響を恐れた他の親たちは事件の隠蔽を決意。俊介も説得されて協力する羽目に。が、やがて俊介は気付きます。死体の指についていた土、英里子の持っていた美菜子の写真。写真にはなぜか関係ないはずの塾講師・津久見(豊川悦司)の姿も。そしてついに気付きます。美菜子が犯人ではないことを。 愛憎劇から殺人へ、しかし事件は社会のより醜い領域へと足を踏み入れていきます。受験のために犯罪を隠蔽しようとする親たち。そこにはモラルを失った異常な感覚が確かに存在します。現代の歪んだ受験戦争が親たちをそこまで追い詰めたものか。ここに出てくる登場人物たちには、驚くほど幸福感が感じられません。しかし親の一人・藤間(柄本明)が言うように、親がレールを敷くことで子供の可能性は広がる、そんな社会であることも事実でしょう。 さらに事件は受験に絡む不正にも及びます。津久見が子供を合格させるために私腹を肥やして裏工作をする。そんな教育現場の醜い実態が垣間見えてくるわけです。一方の子供たちも、みずから進んで受験に挑もうとする不思議さがあり、受験に絡む様々な問題を鮮やかに提起したと見れるのではないでしょうか。 事件は解決には至りません。誰がなぜ英里子を殺害したのかは不明のまま。ミステリーとしてはすっきりとはいきませんが、強いて言えば、それがそのまま出口の見えない受験問題の複雑さを象徴したのだと見れます。ただ、社会派、とはっきりとしたスタンスを取っているようにも見えません。サスペンス的な要素を強めたことで希薄となり、サスペンスとしてもシンプルに過ぎ、やや満足度を下げた感はあります。筆者にはどうしても中途半端なスタンスに見え、そのためにテーマがばらけてしまったように感じました。 |
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東野圭吾
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