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サトラレ(2001年/日本/129分)
cinema review ![]() STORY
1977年、旅客機が山腹に墜落。乗客全員が絶望視される中、救助隊員たちの耳に、助けて、と声が。その先には幼い子供。すぐにそれが声ではなく、心に直接聞こえてきたことに気づいた隊員たちは本部に報告します。サトラレを発見した、と。
自分の思っていることが十メートル以内の人間に知られてしまう障害は、一千万人に一人という稀有な存在。その代わり彼らは例外なくIQ180以上の天才。様々な分野で国家・社会に貢献。が、彼らは自分がサトラレであることを知りません。知れば精神的に耐えられなくなり自殺するおそれも。そのため、国は特能保全委員会を組織し、保護と管理をしていたのでした。そしてサトラレにサトラレだと気づかせないのも国民の義務になっていたのです。 2000年、飛行機事故から二十年あまり。岐阜県の山あいの小さな町・奥美濃町。助けられた里見健一は祖母キヨの手ひとつで育てられ今は外科医に。同時に委員会の監視もひそかに受け続けていました。そこに新たに派遣されたのが自衛隊の精神科医・小松洋子。国の新薬研究所へ健一を導く任務を与えられての赴任でした。 行ってみると、病院や町の人たちの気の使いようの大変さが明らかに。そんな周りの迷惑を知らない健一は、研修医のめぐみにあこがれを抱いていました。しかし、当のめぐみにその気はなく逆に迷惑顔。仕方なく、健一をデートに誘った上で、別の恋人をでっち上げあきらめさせる作戦がを立てられます。 が、決まった日取りは翌日。しかも場所は勝手が分からない隣町の祭り。急きょ対策チームが現地に送られるも祭りの会場は大混乱に。そして洋子とめぐみが待つ待ち合わせ場所に健一が登場。めぐみの偽の恋人を紹介するのでしたが・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
原作は佐藤マコトのコミック。映画では前半は軽快なコメディで後半はシリアスなドラマ。歴史モノのような文芸的な作品には希に見られますが、色調上統一感に欠ける構成になってしまうのはちょっと残念ではあります。中だるみが目立つのもやや気になるところですが、心理描写は派手ながらもリアルなもので、全体としては大変に心を打つ表現になっていると思います。
内容は、自分の思念が周りの人間に筒抜けになってしまう、という "サトラレ" の物語。人の心を読む超能力・読心術の逆の発想は興味をひくには十分。主人公・健一(安藤政信)の登場でピークを迎える序盤の瞬発力は見事ではないでしょうか。続いてその健一を研究者に導くために派遣された洋子(鈴木京香)、健一が片想いをするめぐみ(内山理名)が登場。健一にめぐみをあきらめさせようとしたことから、ドタバタ喜劇にまで発展することになるわけです。 無論、シチュエーション自体は滑稽なものですが、それを感動にまで高めていくところは映画ならではの巧みな演出。ただし、おもしろさと引き換えに見る者の集中力を求めるのも宿命と呼べます。本作では、ラブコメ風の前半から一転悲劇的な展開へと移った中盤の無人島の場面が分かれ目になるでしょうか。ここで、自分がサトラレだと気付き自殺したはずの白木が現れ、サトラレの悲しい現実を洋子は知ることになるのです。そして、研究対象としてのサトラレから人間としてのサトラレへと見方を変えていくわけです。ここは状況描写から心理描写への過渡的なポイントとしても使われているようです。前半とのギャップが激しく、非常に低いトーンのモチーフですが、洋子の心情変化を展開の転換点に重ね合わせているシーンといえます。が、以降はコミカルなシーンは激減してしまいます。 終盤は、たった一人の肉親・祖母キヨ(八千草薫)の病気をめぐるモチーフ。サトラレゆえに今まで一度も執刀を許されなかった健一がはじめて手術を担当。涙もののクライマックスを見事に演出しています。まあ、多少やりすぎ、引っ張りすぎの感もあるにはありますが、周辺人物を描きつつ、巧みに雰囲気を盛り上げて維持しているのではないでしょうか。 人間の思念が伝わってしまうとはどういうことなのか。本人の苦悩とともにまわりが受ける苦痛・迷惑。それを素直に受け入れるのは奇跡なのか。非現実的なシチュエーションを描いてきた物語は、最後、洋子の言葉を借りて、それを人の心の進化に結びつける試みを行っています。ただし、テーマ性のアピールは十分ですが、一方で、余韻が蔑ろになってしまったことは否めません。他のいくつかのシーンにもみられますが、この辺は分からせやすさを旨とした娯楽指向偏重の弊害のような気もします。 結局、終盤の感動的なシーンでうまく全体のバランスを取ったという印象を受けます。映画に感動を求める人にはうってつけの映画ではなかったでしょうか。 |
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本作は本広監督の感動作。ヒットはするが質は ... という声も一応は払拭されたのではないでしょうか。ちなみにオダギリジョー、鶴田真由主演でTVドラマもつくられています。
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