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座頭市物語

(1962年/日本/96分)

[監督]三隅研次
[原作]子母沢寛
[脚本]犬塚稔
[撮影]牧浦地志
[音楽]伊福部昭
[出演]勝新太郎、天知茂、万里昌代、柳永二郎、南道郎、島田竜三

[内容]

 親分・飯岡の助五郎の元を訪れた座頭市。折しも町では笹川の繁造と勢力争いの真っ只中。繁造が凄腕の用心棒・平手を雇うと助五郎も市を助っ人に雇う。が、二人は酒を酌み交わす仲。やがて平手が労咳で倒れたと聞いた助五郎は、子分を集めて討ち込むのだったが ・・・。シリーズ第一作。やや取り留めのないつくりながら座頭市のキャラクターで押し通す。痛快活劇に哀切をにじませたハードボイルド時代劇。
[評価]★★★☆☆

cinema review

STORY

 下総。以前旅先で知り合った親分・飯岡の助五郎の元を訪れたのは "座頭市" と呼ばれる盲目の按摩。折しも、助五郎は、新興の笹川の繁造と勢力争いを繰り広げている最中。市の目にも留まらぬ居合い抜きを見たことのある助五郎は、市を客として迎えることにして、子分の蓼吉(たできち)を世話役につけるのでした。
 ある時、釣りに出かけた座頭市は、平手造酒(みき)という浪人者と隣り合わせ、交誼を持つようになります。が、平手は江戸からやって来た繁造の用心棒。平手は市の腕前を見抜きますが、市も平手が労咳であることを察します。
 一方、蓼吉の妹おたねは、子をはらませておきながら冷たくあしらう友人お咲のことで蓼吉を責めます。やくざの兄を軽蔑するおたねでしたが、座頭市のやくざらしからぬ雰囲気には好意を持ちます。そんな中、平手を恐れた助五郎は、出入りの際の助っ人として市を雇おうとします。一旦は受けた市でしたが、内心では去り時を思案するようになります。
 やがて、蓼吉は子分におたねを無理やり添わせようと画策。しかし偶然居合わせた市がおたねを救うと、おたねは市を頼るようになります。そんな時、助五郎の子分が繁造一味に殺され、一方では市も襲われて相手を斬る羽目に。両者一触即発の雰囲気の中、平手が労咳で倒れてしまいます。それを知った聞いた助五郎は一家を集め、出入りの準備を始めるのでしたが ・・・。

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COMMENT

 座頭市シリーズの第一作。痛快時代劇でありながら、哀愁を帯びた主人公に悲哀を絡ませたストーリー、と、子母沢寛独特のつくりが特徴的といえるでしょうか。そして何と言っても、勝新太郎の、と言うほどにこの風変わりな英雄像ははまり役となりました。決してスマートすぎず、しかしあまりの人間クサさと抜群の魅力で見る者を釘付けにします。
 物語は、町を二分する勢力の争いに巻き込まれた座頭市の活躍を描いたもの。市はその一方、助五郎一家の客分となりますが、敵の用心棒である平手(天地茂)と親しくなり、しかし最後には宿命のごとく対決することになるのです。
 シチュエーション自体は至極オーソドックスなもので、いわば定番に近いストーリー。シリーズの後の作品でも同様のストーリーのものがあり、他の時代劇でもおなじみの設定。と言っては申し訳ありませんが、この点、時代劇や西部劇ではあまり影響しないようで、見ていてもさほど気にはならないのは不思議といえば不思議。一方では、いかに座頭市の魅力が大きいかが改めて認識されるのではないでしょうか。が、本作での座頭市は、斬りまくる、と言う活躍はありません。居合いの早業を披露するのは中盤に入ってから。このあたりはスタートから飛ばす今の映画のようではなく、引っ張りつつという展開で、時代によるテンポの違いを感じさせます。
 他方、定番的な物語にもかかわらず、まとまりは今ひとつで、抑揚の味気なさは否めません。それぞれのモチーフが、何とはなしに収束している印象を受けます。まあ、これも近年の娯楽作品はクライマックス主義の傾向が強いので、時代の流れによる不利もあるかもしれません。
 物語は終始殺伐とした雰囲気のまま進みますが、平手との親交やおたね(万里昌代)との恋物語が情の部分を支えます。が、最後はその平手を破り、さらには慕ってくるおたねを振り切って町を去る市の姿で幕を閉じます。娯楽作ながら、ハッピーエンドでは割り切れない、哀切を含んだラストと言えるでしょう。
 以降、本作を含め25本製作されることになった人気シリーズですが、順番に見る必要のないのは見る側にとっては嬉しいつくり。とは言え、第一作目くらいは見ておきたいと思うのが人情? ファンならなおさらですが、今ならたけし座頭市と見比べてみるのもおもしろいかもしれません。

(ポニーキャニオン)
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子母沢寛関連作
(Book), (DVD)
勝新太郎関連作
(兵隊やくざ、悪名)
天地茂関連作
(東海道四谷怪談、憲兵と幽霊)
万里昌代関連作
(女体渦巻島、海女の化物屋敷)

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 本作のマドンナ役、万里昌代(おたね)は第二作「続・座頭市物語」に再登場。一本目が二本目の後半につながっていくというちょっと変わった流れ。さらにおたねは第四作「座頭市兇状旅」にも再々登場しています。

www.sasaraan.net

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