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座頭市(1989年/日本/116分)
cinema review ![]() STORY
旅の途中の座頭市は、昔馴染みの漁師・儀肋の家を訪れます。昔あげたはずの金を儀助は持っていて、市は心ならずも金を受け取り、すすめられるままに賭場へ向かうのでした。町では天神一家の二代目・五右衛門の襲名式が折しも開かれ、縄張り一体を自分が仕切ると強引に宣言。その五右衛門には、悪徳役人の八州見回りの後ろ盾が。八州見回りは、管轄の町を回っては、顔役から賄賂を受け取っていたのです。
賭場では、市の目が見えないことにつけこみ、天神一家の手下たちが金を巻き上げようと息巻きます。しかし市はそんな手下たちを逆にだまして大金を手にしてしまいます。腹を立てた手下たちは市を取り囲みますが、たまたま訪れていた女任侠のおはんが止めに入り、その場は納まります。しかし五右衛門はこのことを根に持ち、殺し屋たちを市に差し向けるのでした。 そんな中、市は絵を描きながら旅をするふしぎな浪人と出会います。市と浪人は意気投合。しかし、やがて浪人は五右衛門の用心棒に雇われ、市を倒すよう言われるのでした。一方、市は心のやさしいお梅という少女と出会い、厄介になることに。ちょうど町には八州回りが到着。なまず一家の親分・赤兵衛に賄賂を要求。さらに八州回りはお梅にも目をつけます。さらに町には、市を追う五右衛門と手下たちが大挙して押しかけてきて ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
前作(1973)から16年を経て製作された復活座頭市。真剣での撮影中に死亡事故が起きたり、勝新太郎自身のトラブルもあったり、と、何かと話題を振りまいた映画でもありました。勝新太郎は五十代半ばにもかかわらず、見事な殺陣を披露。さすがにかみそりのようなシャープさは消えましたが、そのかわりに重厚さが加味。個人的には、ダーティーさが復活したのが嬉しい限りです。一時は正義の味方化した座頭市ですが、ダーティ・ヒーローとしての魅力はやはり替え難いものではないでしょうか。
冒頭は地面に落ちた飯をすする座頭市(勝新太郎)の姿からはじまります。いかにも泥臭さを演出した一連のシーンは、そのまま本作のダーティなイメージを象徴。その後、義理人情を何とも思わない非情な親分・五右衛門(奥村雄大)、五右衛門に異常なライバル心を燃やすまむしの赤兵衛(内田裕也)、そんなやくざものから金を脅し取る八州回り(陣内孝則 )。まさにどうしようもない悪党たちが次々と登場します。 おもしろいことに、オールド・ファンへの配慮もあります。賽を振ってわざと失敗したように見せるシーンも復活。なぜか "もてる" 座頭市もむかしのまま。今回は女任侠のおはん(樋口加奈子)がマドンナ役となります。そして今回のライバルは、謎の絵描きの浪人(緒方拳)。飄々としてユーモラス。が、剣は凄腕。市と仲良くなるにもかかわらず、宿命的な対決へと向かわずにはいられない剣客の本能。一方、 "見なくてもいいもの見てしまう" "見えなくて幸せか" と市に聞くあたり、何ともいえない悲哀をにじませます。このあたり、第一作のライバル・平手造酒(みき)をほうふつとさせるシチュエーションではあります。 ただし、やや雑然とした構成も座頭市シリーズを踏襲してしまった感もあります。いくつかのモチーフが途切れ途切れに現れては消えるのがちょっと気になるところ。最後にひとつに収束、とはいっていないだけに、そんなイメージがつきまといます。 もうひとつ、欲を言えば、目にも留まらぬ居合いの神業はもうちょっと見たかったところです。それにしても、やはり座頭市はおもしろい、というイメージがそのままだったのが嬉しいところ。続編がつくられなかったのは、いかにも残念です。 |
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「座頭市」
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座頭市は後に北野武監督がみずからの主演でリメイク。斬新な殺陣と独特のコメディセンスが秀逸。全編統一ストーリーで挑んだ北野座頭市はかなり上質。が、生々しいシーンもありバイオレンスシーンが苦手な人にはちょっときついかもしれません。
「座頭市」(北野武)(2003/日本)
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