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座頭市 あばれ凧(1964年/日本/82分)
cinema review ![]() STORY
片瀬の宿外れ。座頭市は旅の途中で何者かに狙撃され、危うく一命を落としかける。けがをして民家に運ばれ、気がつくと市を助けた人物はすでに去っていた。その男は久兵衛という花火師が鰍沢(かじかざわ)へ向かったと聞き、市も礼を言おうと後を追う。
一方、市を狙ったのはやくざの世界で名を挙げようとしていた若者・清六だった。清六もまた市が無事だと知り、後を追っていた。やがて市は鰍沢に到着。町では間もなく、川原の渡しの権利を持つ文吉親分が自腹を切って花火大会を開くのだとか。久兵衛はそのために呼ばれたと川人足から耳にする。 そうして花火を作る久兵衛に再会。すると、市を助けたのは自分ではなく、自分を迎えに来た文吉の娘・お国であると告げる。そこで文吉の家へ行くと、お国に快く迎えられ、文吉からも手厚くもてなされる。しかしこの時、川原の渡しの権利を狙い、川向こうのども安こと安五郎が姦計をめぐらせていた。 安五郎は妹が代官の妾であるのをいいことにわいろをもって取り入り、すでに暗に了承を取り付けていた。同じ頃、文吉の家には、借金や喧嘩で散々文吉の顔を潰して逃亡した息子・清六が帰って来る。それを知った安五郎は芝山天玄を頭領とする浪人五人組を雇い入れ、文吉の川人足に嫌がらせを始める。清六はこれに怒って安五郎の家に押しかけるが、これは清六を捕らえるための罠だった ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
勝新太郎の座頭市シリーズの第7作目。今回の舞台は甲州鰍沢。現在は山梨県鰍沢町に当たるのでしょうか。町の中央近くに富士川が流れ、橋のなかった当時のことですから、川人足が人を担いで渡していた時代。今回は、その渡しの権利をめぐる争いが描かれています。
序盤は伊豆片瀬の宿外れ。鉄砲で撃たれた市(勝新太郎)は花火師に助けられ事なきを得ます。その後礼をしようと花火師のいる鰍沢へ。そこで親分・文吉(香川良介)とその娘・お国(久保菜穂子)にもてなしを受ける市でしたが、同じ頃、文吉のもつ渡しの権利を、安五郎(遠藤辰雄、後の遠藤太津朗)という親分が狙い、陰謀を企んでいたのです。 序盤はめまぐるしく舞台が変わりやや雑ぱく感を露呈しますが、それもすぐに収まり、市が鰍沢に着いたあたりからは、他に舞台が写ることはなく落ち着いた展開となります。今回もまた、一つ町に二人の親分が争うという定番の構図。ただし、文吉を善、安五郎を悪に置き、明確に分けているのがミソ。文吉を死に追いやることで、見る者の怒りをあおっています。勧善懲悪型のパターンを踏襲したつくりと呼べるでしょうか。 今回のライバル役は素浪人・芝山天玄。演じている五味龍太郎はシリーズ常連の一人で、後には「地獄旅」、「海を渡る」、「座頭市と用心棒」その他にも出演しています。ライバル役と言えば第一作での平手造酒(みき)の印象が鮮烈で、本作でもなお、この名前が作中で引用されています。しかしここでの天玄はさほど大きな存在感でありません。前半、道場破りでちょっと姿を現し、後半、安五郎に雇われ再びちょろっと現れる程度。市との対決というほどの見所はほとんどなく、決闘シーンでも一瞬で敗れ去ってしまっています。市の強さばかりが目立ち、やや緊迫感を欠いた殺陣であることは否めません。これはマドンナ役お国(久保菜穂子)にも言えることで、市との情緒的なシーンはなく、淡白な雰囲気となりました。 パターン化が顕著であるという点は7作目ともなればいたしかたないかもしれません。それでもやや見所に欠く、というのが正直なところ。平凡なつくりである一方では安定味を増してきたつくりとも見れ、過渡期あるいは倦怠期の典型のような気はします。正義が破れるという泥臭さは残したものの、一応お茶の間時代劇としての片鱗を備えてきた一本でもあります。 |
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◆「座頭市」シリーズ
1. 座頭市物語(1962) 2. 続・座頭市物語(1962) 3. 新・座頭市物語(1963) 4. 座頭市兇状旅(1963) 5. 座頭市喧嘩旅(1963) 6. 座頭市千両首(1964) 7. 座頭市あばれ凧(1964) 8. 座頭市血笑旅(1964) 9. 座頭市関所破り(1964) 10. 座頭市二段斬り(1965) 11. 座頭市逆手斬り(1965) 12. 座頭市地獄旅(1965) 13. 座頭市の歌が聞える(1966) 14. 座頭市海を渡る(1966) 15. 座頭市鉄火旅(1967) 16. 座頭市牢破り(1967) 17. 座頭市血煙り街道(1967) 18. 座頭市果し状(1968) 19. 座頭市喧嘩太鼓(1968) 20. 座頭市と用心棒(1970) 21. 座頭市あばれ火祭り(1970) 22. 新座頭市 破れ!唐人剣(1971) 23. 座頭市御用旅(1972) 24. 新座頭市物語 折れた杖(1972) 25. 新座頭市物語 笠間の血祭り(1973) 26. 座頭市(1989) 27. 座頭市(2003/北野武版) |
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