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着信アリ(2003/日本/112分)
cinema review ![]() STORY
合コンに参加した由実。化粧室を共にした陽子に電話が。それは陽子の携帯の着信音ではなく、発信先を見ると自分の番号。しかも日付はあさって。二人がメッセージを聞いてみると、陽子の声、続いて悲鳴。そして二日後、陽子からの電話を受け取った由実。メッセージと同じせりふを陽子から聞いたと思ったら悲鳴が。陽子は線路に落ちて亡くなってしまいます。
由実は、陽子の葬式で高校生から、自分からの電話は死の予告で、メモリーの中から次に死ぬ相手が選ばれるのだと聞きます。その後、陽子の知り合いの男も、自分からの電話を受け取って、由実の目の前で死んでしまい、さらに由実の親友なつみのもとにも電話が。電源が切れているにもかかわらず着信アリの文字が映し出されます。そしてそこには、あさっての日付で不気味な映像が。 電話を解約して処分するなつみでしたが、取材に訪れたテレビ局のスタッフの携帯に例の着信音。そこには再び不気味な画像が現れます。そして言われるがまま除霊の生放送に出演することに。一方、由実は、同じように妹を失った葬儀屋・山下と知り合います。そして、事件の鍵が、子供を亡くして行方不明中の母親・水沼マリ江にあることを知るのでしたが・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
独特の哲学性と深層心理的な恐怖感を表現するジャパニーズ・ホラーというよりは、単純に恐怖と娯楽を追及したエンターテイメント・ホラー。が、見えない存在への恐怖感は、やはり日本の風土ならではの演出。こわいシーンも随所に配置されて、上質のA級ホラーを実現しています。
物語は、由実(柴咲コウ)の友人陽子が、二日後の自分からの電話を受けるところから始まります。それは自分からの死の予告電話。その非物理的な恐怖に加え、死に方の残虐さが一層恐怖感を煽ります。由実は偶然知り合った山下(堤真一)と共に奔走。やがて喘息で亡くなった子供・水沼美々子と行方不明の母親・マリ江が関係していることを突き止めるのですが、そんな中、当の由実に予告電話が。タイムリミットは16時間。物語はここから一気に緊迫度を高めていきます。 分かりやすくスムージーな前半。来たりくる本格的な恐怖への布石を十分に打ち、後半へと展開させていきます。特に怖いのが、テレビ局での生放送でなつみが殺されるシーン、水沼マリ江の部屋の戸棚のシーン、そして何と言っても廃病院の一連の恐怖シーン。ここは正視できないほど恐怖感をかもし出しています。そしてこの廃病院のシーンがクライマックス。と思いきや、ここからエンディングまでがまた一苦労。が、この構成上のバランスの悪さを感じたのは、多分に個人的な感覚かもしれません。 廃病院、自然に開くたんす、幼児虐待に残虐な死体。あからさまな効果音。ホラーに過剰演出は付き物。まあ、それはいいとしても、終盤は何でもありの半ば不条理ホラー。もう、怖ければ何でもいいや、という展開。何度も蘇る携帯はその象徴。逆回転する時計にはさすがに "やりすぎだろう" と思うのですがどうでしょうか。物理的な道具にこだわるのは、分かりやすさは出ますが、奥行きには欠けます。 さらに終盤。つじつまは合うもののまとまりは今ひとつ。人物の思考や行動に自然さがなく展開に合わせて動かしている様がありありなのは残念。全体的に理論的な背景の説明にやや乏しく、整合性や合理性に欠ける点も否めません。質を犠牲にしたわけではないのでしょうが、おもしろさを優先してしまった結果ということだと思います。 が、逆に言えば娯楽性に富んだストーリーになっていて、細部は別にしても分かりやすさは抜群。極めて高い普及性(適応性)を持っているのではないでしょうか。陽性指向の一連のエンディングはその象徴的なシーン。マニアックなホラーとは一線を引くつくりと言えば言えるかもしれません。まあ、心に残る、という作品ではないと思いますが瞬発力は見事。単純な娯楽として、十分満足のいく映画ではないでしょうか。 |
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本作は三池崇史監督も秋元康(原作)もホラー畑でないのがミソ。続編「着信アリ2」の監督は塚本連平、と、こちらもホラーの実績はなし。ただしTVドラマのヒットメーカー。その実力は折り紙つきだとか。原作は引き続き秋元康。いずれも抜群におもしろいホラー・エンターテイメント。このジャンルには今後も期待したいところです。
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