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富江(1999/日本/95分)
cinema review ![]() STORY
片目の男・山本が月子のアパートの下の階に引っ越してくる。泉沢月子はカメラマンの卵。斉賀祐一という恋人もいるが、月子は三年前の交通事故で前後の記憶を失っていた。さらに催眠障害で精神科医・細野の許に通院。細野は原因が交通事故にあると推理し、催眠療法を施す。そこで、田辺と富江という二人の名前を耳にするが、月子にはやはり覚えがなかった。
ある時、そんな細野を刑事・原田が尋ねて来る。原田はある怪奇事件を追っていると言う。ある高校のクラスが崩壊。生徒の多くが自殺か発狂。残った者も転校を余儀なくされる。そして川上富江という女生徒が行方不明に。さらに原田は、三年前にも同様の事件が起こっていたことを発見。富江の名はそこにも。その同級生に月子と田辺という生徒がいて、富江は田辺に殺されバラバラにされたのだとか。が、いまだ死体は発見されていない。実は富江殺害の記録は明治時代からあり、何度も殺されているはずだというのだ。 一方、山本の部屋にはいつの間にか少女が同居。山本が持ち入れた富江の首が再生を遂げたのだ。富江は体の一部だけでも再生できる驚くべき力を持っていた。やがて富江は月子の恋人・祐一の働くレストランにウェイトレスとして潜入。店の男たちはたちまち富江の奴隷と化し、富江を争い奪うようになる。そんなことが起こっているとは気付かない月子。ある時、下の部屋の前を通りがかり、ドアが開いていることに気付く。不審に思い中へ入ってみるのだったが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
伊東潤司二の傑作コミックの映画化。何度もバラバラにされながら、再生を繰り返す富江の恐怖を描いたカルト・ホラー。物語中、富江の顔がなかなか映されません。これは月子の記憶と連動しているせいです。月子の記憶が戻ってはじめて映し出されると言う演出。そこがまた怖いところ。と言いたいところなのですが、富江が菅野美穂だとわかっているのでそんなに引っ張らなくても、と思ってしまうのです。逆に他のシーンでの"タメ"が乏しくなっていて、これらはホラーのモチーフとしてはちょっと寂しいかもしれません。
しかし、この富江という存在の怖さ。。自分でイメージを膨らませていくと本当にゾーっとしてしまいます。冒頭首を掘り起こす眼帯の男。これが何とも不気味。そして食べ物を与えている男の姿。その中が生き物であることはわかるのですが、実は首なのだろう、と自分なりにイメージしていくと鳥肌すら立ってきます。案外映像になっていない部分の方が怖かったりするのです。 ところで本作はシーンの"飛び"が多く、登場人物数も欲張りすぎた感があります。つまりは、主人公はじめ人物描写がやや淡白。例えば序盤は重要な役を演じそうな雰囲気の細野医師ですが、途中で立ち消えになってしまっています。家族関係に悩んだり、恋人の裏切りを怖がっている主人公の心情を描く要素もたくさんあったと思うのですが、そこはドラマ性を希薄にするホラーの宿命的な性質なのかもしれません。一方、怪演、と言っていいのが菅野美穂。それにしても、と思うのは、この人、魔物系の役が多いのです。「エコエコアザラク」や「催眠」、「DOLLS」など。本作はまさに魔物そのものなのですが、冷静に見てしまうとかわいさが先に立ってしまいます。が、これは個人的な印象。 どうも、本作は、"不条理もの"ぎりぎり、"B級"カルト、という感がぬぐいきれないのですがどうでしょう。登場人物を多数に広げ、いろいろなモチーフを盛り込んだ結果、ドラマ性が不足したり、各キャラクターが希薄になってしまったり、という弊害が生まれてしまったと思うのです。しかし、本作はこの後にも多数の続編が制作されていることからもわかるように、卓越したアイデアの上に、十分興味を惹く世界観を持っていることも確か。せっかくの素材に個性的な俳優陣。ちょっと惜しい気がします。 |
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富江シリーズ
・「富江」(1999) ・「富江 アナザフェイス」(TV/1999) ・「富江 replay」(2000) ・「富江 re-birth」(2001) ・「富江 最終章〜禁断の果実〜」(2002) ・「富江 BEGINNING」(2005) ・「富江 REVENGE」(2005) |
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