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トリック 劇場版2

(2006年/日本/111分)

[監督]堤幸彦
[脚本]蒔田光治
[撮影]斑目重友
[音楽]辻陽
[出演]仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久、堀北真希、平岡祐太、北村有起哉、大島蓉子、池田鉄洋、瀬戸陽一朗、アベディン・モハメッド、綿引勝彦、片平なぎさ、野際陽子

[内容]

 上田と奈緒子は、十年前に行方不明となった少女を取り戻すため、教祖・筺神佐和子率いる教団がある筺神島へと潜入する。そこで佐和子は次々と奇跡を起こし信者を引き入れてゆく。一方奈緒子たちは少女を探し当てるが教団に見付かり、佐和子と対決させられる羽目になる ・・・。人気シリーズの劇場版第二作。特異なキャラクター、掛け合いの面白さは相変わらず。が、マンネリ化が進み作品の質はシリーズ中最低の評価に。懐かしのゆーとぴあ登場もアピール度は中年限定。残念ながらトリックもストーリーもやや安易。スタッフがお遊びでつくった感が強い。
[評価]★★☆☆☆

cinema review

STORY

 太平洋に浮かぶ孤島、筺神島。島には教祖・筺神佐和子率いる「筺のゆーとぴあ」なる教団が住み着き、地元漁師たちは出て行くよう要求。すると佐和子は奇跡を見せると言い、皆の目の前で、崖下の大きな岩を崖の上に超能力で移動させてしまう。
 3年後のある日、日本科学技術大学教授・上田次郎の許に、不毛な「富毛村」に住む青沼和彦なる青年が訪ねてくる。和彦は、十年前に行方不明になった女の子・西田美沙子を探してほしいと頼みに来たのだ。美沙子はかくれんぼをしている最中に失そう。しかし最近になって、筺神島を訪れた知り合いから手紙が届けられたという。そこには、自分は殺される、と記されてあった。美沙子は十年前、島に連れ去られていたのだ。
 上田は、いつものように家賃の払いに困っていた売れない手品師・山田奈緒子を誘い、早速筺神島へと向かう。そして信者を装い教団に潜り込むが、目の前に現れた筺神佐和子は、次々と信者たちの秘密を言い当てて二人を驚かせる。さらにみずから棺桶に入り火をかけさせ、直後、組み立てられた別の筺から登場するという離れ業を披露するのだった。
 その夜、奈緒子と上田は建物を調査。ある部屋から、筺の中に閉じ込められていた少女を発見する。その少女こそ、霊能力があると吹き込まれ、佐和子の後継者として連れてこられていた西田美沙子だった ・・・。

・・・

COMMENT

 大人気テレビシリーズ「トリック」の劇場版第二弾。「トリック」は、2000年の初放映以来、テレビ3シーズン(全31回)、テレビ長編1本(「新作スペシャル」)、映画1本がつくられています。本編は一応はその完結篇。これで終わりと思うと残念、と思うところですが、最後に「(完)かも」などと言っていますので、単なる宣伝文句なのかもしれません。
 物語の舞台は犬吠埼沖に浮かぶ筺神島。筺神佐和子(片平なぎさ)は偽霊能力で信者を集めては財産を布施として巻き上げる教祖。十年前の長野県富毛村で、その佐和子に誘拐された少女・西田美沙子(堀北真希)を取り戻すため、上田(阿部寛)と奈緒子(仲間由紀恵)が島に潜入。何とか連れ戻すことに成功するわけです。
 今回のストーリーの欠点のひとつに、各キャラクターが終始ばらばらのモチーフ上で登場したことがあげられます。奈緒子の母・里見(野際陽子)は地元市長に立候補。最後まで奈緒子の事件に関わることはありません。刑事の矢部謙三(生瀬勝久)も同様で、奈緒子や上田との絡みは一切無し。二、三のギャグ・シーンに単独で現れるだけとなりました。
 また、ストーリーそのものにもいつもの切れはなく、美沙子を誘拐したのが佐和子であり、美沙子の両親が不明であるなら、当然佐和子が母親だろう、と途中で容易に想像はつきます。筺からの出現、道を塞いで誤らせるなど、トリックもこれまでの二番煎じがほとんどで、さすがにネタ切れのイメージは否めません。
 物語後半は舞台を富毛村に移し、奈緒子と佐和子の対決をクライマックスに迎えます。美沙子と恋人・和彦(平岡祐太)との再会、母娘の判明、等、多少叙情色を強めますが、筺を燃やすシーンは前半の繰返しで単調感は払拭されませんでした。
 「よろしくねっ!」と、ゆーとぴあのギャグは懐かしい限りですが、筆者のように中年以上でなければわからないでしょう。「トイレツマル」のくだりも劇場版一作目を見ていない人にはピンと来なかったのではないでしょうか。他にも、分かる人だけ分ればいいというシーンは多く、こういった点、どうもスタッフの自己満足の方が強いような気がしてなりません。
 ただし、各キャラクターの面白さは相変わらずで、キャラクターでもった一本と言っても言い過ぎではないでしょう。掛け合いの面白さ、ギャグの面白さを挙げるファンは多くても、ストーリーの面白さを挙げる声が少なかったことは事実です。願わくばもう一度仕切り直して、良質な作品をビシッとつくって欲しいところです。

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