映画鑑賞記

カンパニー・マン
preview Company Man/改題 Cypher(2001/アメリカ/95分)
[監督]  ビンチェンゾ・ナタリ
[脚本] ブライアン・キング

[出演]
ジェレミー・ノーザム、ルーシー・リュー、ナイジェル・ベネット、ティモシー・ウェッバー、デビッド・ヒューレット

[評価] ★★★☆☆
産業スパイになった元平凡なサラリーマン、モーガン。彼は各地のIT会議に出席、盗聴データを送るが頭痛や幻影に悩まされるようになる。ある任務中、謎の女性が現れて言う。水を飲んではいけない。そしてその通りにしてみると・・・。誰が本当の味方なのか? どんでん返し連続の近未来サスペンス。でも、一生に一度見れば十分かな。
 平凡なサラリーマンだったモーガン・サリバン。ある時、ハイテク企業デジコープ社の産業スパイとして雇われることになります。任務は他社の会議に潜入し、会議の様子を盗聴してデータを送信すること。モーガンはジャック・サースビーという偽名を与えられ、順調に任務をこなしていきます。しかし一方では、原因不明の頭痛や幻に襲われるようになっていました。
 いつものように任務のために出張中のある時、謎の女性が現れ、頭痛や幻想が治るから、と薬を渡されます。そして再び現れ、今度は、「水を飲んではいけない」とアドバイスをします。そしてモーガンがその通りにしてみると、周りの人間は水を飲むと硬直しはじめ微動だにしなくなります。その間に妙なヘルメットをかぶせられ、洗脳が施されていたのでした。モーガンにも自分がジャック・サースビーであると思い込むようデータが用意されていましたした。
 洗脳された振りを続けたモーガン。彼を洗脳したと判断したデジコープ社は、ジャック・サースビーとしてライバルのサンウェイズ社に送り込みますが、サンウェイズ社では、なぜかモーガンがスパイであることを知っていて、逆にデジコープ社を騙すよう持ちかけられるのですが・・・。

 「CUBE」で話題になったビンチェンゾ・ナタリ監督の作品。物語は、産業スパイになったある男が洗脳されていることに気づくのですが、次々と怪しい人物が登場しては、"主人公に自分は味方だ。協力してほしい"、ともちかけてきます。誰が味方か誰が敵なのか。最後まで目が離せない激しい展開が繰り広げられます。
 サスペンス仕立てで展開自体はよく考えられたものだと感じます。途中、ちょっとしたアクションシーンもあります。正直かなり楽しんで見ることが出来るのではないでしょうか。
 しかし、この様な映画では、観客に真実へのヒントを与えなければ面白味は半減してしまいます。ただ次々と展開を逆転させていくだけで、最後に実はこうだったでまとめられては狐につままれたような話にしか感じません。それでも一度はおもしろく感じられるかもしれません。単純なものでもよいから、丁寧に伏線を張り、見る者を主人公に同化させ、同じ謎の渦に巻き込むようにしなければ、二度三度と見る気は起こりません。本作品の伏線の張り方ではちょっと不十分のような気がします。この点、ストーリー展開がよく出来ているだけに、やや一方的な筋立てになってしまっているのは残念です。
 この映画、主人公に感情移入をして心底ハラハラドキドキを体験する、とまではいきませんが、展開を追っていくだけでそれなりに楽しめてしまうところがあります。あまり過大な期待をしない方が良さそうです。
* 評価やコメントは、あくまでも、"もりじょう"の個人的な感性に基づくものです。
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