映画鑑賞記

殺しのセレナーデ
preview Tuno Negro(2001/スペイン/104分)
[監督] ペドロ・L.バルベロ / ヴィンセンテ・J・マルチン

[出演]
シルケ・ホルニロス・クレイン、フェレ・マルティネス

[評価] ★☆☆☆☆
大学生アレックスがチャットをしていると伝説の連続殺人鬼"闇の詩人"から殺人予告が。果たして予告通りに殺人が起きてしまう。アレックスと仲間たちは犯人が落第生ばかりを狙っていると気づくのだが・・・。連続殺人鬼と学生たちとの攻防を描くサスペンス。冗長なシーンが多く、登場人物も淡白すぎて感情がまるで欠落しているよう。スペインの古い街並みにはそそられるが・・・。
ストーリー
 スペイン、アルカラ大学。歌を歌いながら通りを歩く"トゥナ"の声が聞こえる夜、女子学生の一人がチャットの相手"闇の詩人"と名乗る男から脅迫を受けます。それは昔の詩人の秘密結社の名前でもありました。男は教えてもいない彼女の家や個人的なことなぜか知っています。そしてその夜、彼女は予告通り無残な姿となって発見されてしまうのでした。
 九月、サラマンカ大学の新学期。大学にアレックスが新入生としてやってきます。新入生歓迎会の夜、彼女がカフェバーでチャットをしていると闇の詩人から殺人予告が。その時、"闇の詩人"の名前は連続殺人鬼として伝説化していました。そしてその夜、予告通り女子学生のめった刺しの死体が発見されます。現場にいたことから、同級のエドゥーが逮捕されますが、その後犯人から送られてきた犯行の映像ファイルのおかげで犯人でないことが分かり釈放されます。やがてまた闇の詩人からアレックスのパソコンにメッセージが。アレックス、ミシェル、トラウト、エドゥの四人は、そこで殺されているのが落第生ばかりであることを突き止めます。
 そして翌年二月、今度は医学部の学生が犠牲に。彼女はやはり落第生で追試の最中。さらに年度末の六月。トラウトとエドゥがふとしたことから落第してしまいます。トラウトは犯人を呼び寄せる結果となるのを覚悟していたのですが、アレックスのもとに送られてきたのは何とミシェルの映像。彼ら三人は急いでミシェルを探そうとするのですが・・・。

コメント
 スペイン発のサイコ・サスペンス。連続猟奇殺人鬼と学生たちとの攻防戦が繰り広げられます。やや異色なのは物語が一年にわたって進行すること。その割には変化に乏しいのですが。殺人鬼が犯行を犯すところはさすがに怖さがあります。血のりべたべたナイフでぐさぐさ。刺激が強いシーンです。
 舞台は古いスペインの街並み。さらにあやしげな大聖堂。これが雰囲気たっぷり。ホラー的な雰囲気を盛り上げています。登場人物も多彩。誰が犯人なのか。物語が進むほどに皆あやしく見えてきます。このあたりはミステリーの要素もたっぷりと堪能できるのではないでしょうか。
 それにしても学生たちは知り合いが殺されたというのにおちゃらけたりごまかしたり、と鼻持ちならないところも。しかも彼らは主人公。全体的に登場人物たちは淡白すぎて、情が薄いというか、およそ感情的な深みというものが感じられません。それにラスト。刑事がある決断をするのですが、"どうして?"、と思う人は多いでしょう。ここで詳しく言えないので何ですが、愛のために殺人を肯定する、なんて、お国柄なんでしょうか? 犯人の動機も狂気そのものなのに。ちょっとひどすぎる結末のような気がします。正直ついていけません。
 実はこの映画、序盤のカフェ・バーのシーンで犯人がうすうす分かってしまいます。一人だけするべき行動をしなかった人物がいるのです。詳しくは言いませんが、そこでまず"なんでそうしないんだろう"と疑いを持ち、試験のシーンのあるカットで伏線が張られたことに気づき、終盤犯人は決定的な一言を口にすると"やっぱり"。ただし、もりじょうが感づいたのはたまたま。やや冗長さが目立つ映画なので、このヒントをもとに、ミステリー風に犯人探しのつもりで見るのもいいかもしれませんよ。
* 評価やコメントは、あくまでも、"もりじょう"の個人的な感性に基づくものです。
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