映画鑑賞記

黒ひげ大旋風
preview Blackbeard's Ghost(1967/アメリカ/107分)
[監督] ロバート・スティーヴンソン
[原作] ベン・ストール
[脚色] ビル・ウォルシュ / ドン・ダグラディ
[撮影] エドワード・コールマン
[音楽] ロバート・F・ブランナー

[出演]
ピーター・ユスティノフ、ディーン・ジョーンズ、スザンヌ・プレシェット、エルザ・ランチェスター、ジョビー・ベーカー

[評価] ★★★☆☆
陸上部のコーチとしてやってきたスティーブ。ひょんなことから海賊黒ひげの幽霊につきまとわれることに。善行をすれば消えると知って思案するスティーブを尻目に、船長が起こすのは騒動ばかりで・・・。善いことをしたことがない幽霊が善いことをしようとして巻き起こす騒動を描いた痛快なコメディ。もう絵本か漫画かという世界。家族そろって楽しめるでしょう。
ストーリー
 スティーブ・ウォーカーが陸上部のコーチに呼ばれてゴドルフィン大学に。町ではつぶれかけの"黒ひげ旅館"に泊まります。旅館は海賊黒ひげ船長の元館。今では黒ひげの子孫の婦人たちが運営する旅館。しかし町の顔役シーモアが買収しようと虎視眈々。その夜、借金を返そうとオークションを開く旅館。つまらない意地から、スティーブは黒ひげゆかりの湯たんぽを買ってしまいます。さらに泊まる部屋も元黒ひげの部屋。が、偶然発見した魔女の呪文書。何気なく唱えてみると本物の黒ひげの幽霊が現れてしまいます。
 この船長、ラムの匂いをぷんぷんさせながら四六時中スティーブにつきまとうことに。スティーブの方は迷惑この上なく、周りも彼の奇妙な言動に首をかしげます。翌日になると大学の陸上部へ。ところが部員たちはへっぽこばかり。聞けばあまりのふがいない戦績に、次の競技会で成績が悪ければ廃部になるという話も。一方、善行を施せばあの世にいけるという黒ひげ船長。が、生涯良いことなどしたことがない船長には何が良いことなのか分かりません。そこでスティーブは経営難の旅館を救えばいいと提案します。
 そんな旅館を助けようと奔走していた大学の心理学の教授アン。その夜、前日にオークションで知り合ったスティーブと食事に出かけることに。が、船長の勝手な思いつきで、持っていたオークションの売上金をすべて陸上競技会の賭けに使われてしまいます。賭けたのはゴドルフィン大学。勝てば借金は返せるほどの配当ですが勝ち目がないことは明らか。
 そして競技会の日。インチキが嫌いなスティーブは船長に手を出すなと釘をさすのでしたが・・・。

コメント
 ディズニー製作らしいハートウォーミングなファミリー映画。海賊、幽霊、魔女、呪文、といったいかにも怪しげなモチーフを効果的に盛り込んで全編楽しい物語を展開させています。
 黒ひげが魔女の呪い(と言ってもこの魔女彼の奥さんなのですが)で、あの世にいけない身にされてしまったのが騒動の始まり。ようやく復帰できた時にはすでに曾孫の時代。善いことをすれば成仏できることから、自分なりに善いことをしようとするのですが、これがまた大混乱を引き起こすだけ。それがまじめなスティーブには耐えられないのでしたが、やがて二人共通の目的を見つけて協力していくという話。幽霊黒ひげの大活躍も楽しいのですが、最初は反発しあっていたスティーブと黒ひげが奇妙な連帯感を築いていくあたりも見所。コミカルなシーンもたくさんあります。
 特に個人的におもしろかったのは、大学の花形フットボール部のコーチが校長に陸上部の廃部を勧めるくだり。ところが陸上部の意外な活躍を見て校長は大喜び。そして叫んだことばが、"わしゃフットボールはきらいなんだあっ!"。聞いて立ち直れないくらいしょげ返るコーチの姿。終盤は黒ひげの八面六臂の大活躍。喧嘩はするはいかさまはするは。なんせ幽霊ですからもう何でもあり。胸がすく思い。
 主演はピーター・ユスチノフ。なぜだか恐い、強い、といった印象はありません。やはりこの人、コミカルな役は板につきます。一方、相棒のディーン・ジョーンズ。幽霊を相手にひとり芝居なのですが、これがなかなかの芸。まあ、そんな冷静に見てはいけないのですけど。
 さて、最後はどうなるのでしょう。はたして黒ひげは"善いこと"ができるのか。だとしたらどうなってしまうのか。と、煽るほどテーマ性が強いわけではなく、ひねりがあるわけでもありませんが、その代わりさわやかなロマンスがあったりします。まあ、ちょっとした遊園地気分で味わえる映画ではないかと思います。
* 評価やコメントは、あくまでも、"もりじょう"の個人的な感性に基づくものです。
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