| おもいでの夏 | |
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Summer Of '42(1970/アメリカ/105分) [監督] ロバート・マリガン [脚本] ハーマン・ローチャー [撮影] ロバート・サーティース [音楽] ミシェル・ルグラン [出演] ジェニファー・オニール、ゲイリー・グライムス、ジェリー・ハウザー、オリバー・コナント、キャサリン・アレンタック、クリストファー・ノリス [評価] ★★★☆☆ 1942年、ある島で過ごしていたハーミーは、美しい人妻ドロシーに憧れる。ある日、出征の夫を見送るドロシー。ほどなく、ハーミーはドロシーと知り合うようになり、ドロシーの家の手伝いをするようになるのだが ・・・。少年の思春期の性への関心とひと夏の経験を繊細に綴った青春映画。地味ながらも人物の微妙な感情の揺れを丁寧に描いた佳作。 |
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ストーリー 1942年、ニューイングランドの四季彩り豊かな島。15歳の高校生ハーミーは、友達のオスキーとベンジーと共にたわいのない話や遊びに興じる毎日。そんな中でも一番の話題は異性への関心。ある時はベンジーが家から持ち出した医学書を見ては興奮します。そんなハーミーの憧れは、小さな家に住んでいる若妻ドロシー。ある日、港に夫の出征を笑顔で見送るドロシーの姿が。が、ハーミーは、別れた後の悲しみにくれる顔を見ていました。 ほどなく町中で、買い物袋を抱えたドロシーに思い切って声をかけたハーミー。これを機に男手のないドロシーの手伝いをするようになりますが、いつも緊張してばかり。しかし彼女の美しさに一層魅かれることになります。一方では、ある日、オスキーとベンジーと三人でナンパ。オスキーは強引にミリアムに迫り付き合うようになり、ハーミーも成り行きからアギーと付き合うようになります。そしてベンジーの医学書でセックスの勉強をしたり、苦心してコンドームを手に入れたりとちょっとした騒動。 しかしドロシーが忘れられないハーミーは、今ひとつ乗り気になれません。そんな中、ふとしたことらドロシーとデートをすることになったハーミー。いつになく身なりを整えてドロシーの家を訪れたのですが ・・・。 コメント ロバート・マリガンの青春映画。決して派手さに奔らない人物描写が、見る者の感性に淡く切ない余韻を加えています。地味な物語の中に、だからこそ描き得る自然さや繊細さが感じられるのではないでしょうか。決してインパクトの強い作品ではありませんが、人間のありのままの姿を飾らずに描いた点は秀作と言えると思います。 時代背景はタイトル(原題)にもある通り第二次大戦中の1942年。アメリカ北東部のニューイングランド。混沌とした時代。しかしハーミー、オスキー、ベンジーの三人は、どこにでもいる若者の姿そのもの。医学書を見て興奮するあたりは時代を感じますが、かえって少年たちの純粋な胸のうちが感じ取れます。 しかし同世代の異性に最も興味を注ぐはずの年代にもかかわらず、ハーミー(ゲーリー・グライムス)は年上の女性ドロシー(ジェニファー・オニール)に憧れ、彼女の小さな家に毎日通い詰めます。やがて夫が出征。笑顔で送り出すドロシー。が、見送った後の悲しみに満ちた表情、一方で彼女を見るめるハーミーの姿。それぞれの真情が余韻と共に伝わってくるシーンではないでしょうか。 セックスの美化、セックスへの憧憬と期待。しかし一方では不純さへの嫌悪感。こういった思春期特有の潔癖さが、ハーミーを通して丁寧に描かれています。さらに、性への現実的認識が進んだオスキー(ジェリー・ハウザー)と、今ひとつ関心が薄いベンジー(オリバー・コナント)との対比も鮮やか。一層ハーミーの性への幻想を引き立たせています。 登場人物たちの表情や仕草は派手ではありません。が、適度な間とそこから生まれるかすかな緊張感によって、見る者の感性は的確に人物の心の中へと入り込んでいきます。このあたりもまた、本作のファンが多い一因かもしれません。 やがて終盤、夫の死によって、ドロシーの住む大人の世界とハーミーの少年らしい憧憬とが交わります。が、それはドロシーの耐えられない悲しさがもたらしたもの。それでもハーミーの心には消えることのないおもいでが刻まれたのです。はたしてその思いはどのようなものであったのか。そして最後、そんなハーミー姿が大きな余韻となって、見る者の心にも刻まれることになるわけです。 | |