| おしゃれ泥棒 | |
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How To Steal A Million(1966/アメリカ/124分) [監督] ウィリアム・ワイラー [原作] ジョージ・ブラッドショー [脚色] ハリー・カーニッツ [音楽] ジョン・ウィリアムス [出演] オードリー・ヘップバーン、ピーター・オトゥール、ヒュー・グリフィス、イーライ・ウォラック、シャルル・ボワイエ、フェルナン・グラヴェ、マルセル・ダリオ、ジャック・マラン、ムスターシュ [評価] ★★★★☆ 表は著名な収集家、裏では贋作家のボネ。ある時、美術館に出展した偽のビーナス像が鑑定されるというから大変。娘のニコールは偶然自宅に忍び込んだ泥棒に協力させビーナス像を盗もうとするのですが・・・。抜群のストーリー展開にキャラクターの魅力もたっぷり。ロマンチック・コメディの快作。 |
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ストーリー パリの大邸宅。裏では名作の贋作を描いて本物として売買して儲けているシャルル・ボネ。表では美術品の収集家として一目置かれる存在。しかし娘のニコールはそんな父親にひやひやもので、陰の商売をやめるよう説いていたのでした。シャルルももう引退すると言っていたのですが、同じ頃、美術館に自慢の所蔵のビーナス像を提供することに。もちろん、ビーナス像は例のごとくニセモノ。こともあろうニコールにそっくり。それもそのはずでモデルはニコールの祖先。しかし美術館が正規の鑑定をすると言い始めたことから、ボネ家は大混乱となります。ニセモノと分かれば当然刑務所行き。 そんなある夜、ニコールが不審な物音を聞いてロビーへ行ってみると、そこには泥棒が。まさに絵を盗む寸前。捕まえる代わりに、と泥棒であることを見込んで一計をめぐらしたニコール。泥棒に協力させ、美術館に忍び込んでビーナス像を盗み出そうと考えます。 美術館の会場ではビーナスの展示が盛況を呼んでいました。その中にはアメリカの美術品収集家のリーランドが。ビーナスに一目ぼれしたリーランドはどんなことをしても手に入れたいと思い、所有者ボネ家の娘であるニコールに結婚を申し込みます。シャルルは大金が入るので乗り気ですが、ニコールはもちろんそんな気はありません。それどころかビーナスを盗むことで頭はいっぱい。 やがて決行の日。美術館の隅に隠れ、まんまと閉館後まで居座ることに成功したニコールと泥棒。しかしビーナスに手を触れようとすると警報がなる仕組みに。さらに頻繁に巡回に来る警備員。そんな中、泥棒が考えていた奇想天外な方法とは・・・。 コメント ハリウッドの巨人ウィリアム・ワイラー晩年の作品。オードリー・ヘプバーンとのコンビは「ローマの休日」が有名ですが本作もなかなかのもの。特に中盤、さすがに50年代以前の前時代的な緩慢さがあるものの、といってもワイラーはまだ60代なのですが、元ネタのおもしろさとワイラーの技で乗り切ってしまった感じ。結果、ロマンチック・コメディの名作と評されることが多いようです。 ロマンチック・コメディと言いましたが、サスペンスとしても十分楽しめます。まあ、ここでは特にジャンルにこだわる必要もないんですけどね。贋作家の父親を持つ娘。泥棒に協力させてみずから泥棒を試みる。なんてアイデアが秀逸。そこに絡んでくるアメリカ人収集家がまた物語をおもしろくしている隠れたポイントになっています。もちろんこの泥棒。ただの泥棒ではありません。ここでは言いませんが。 ニコール役はオードリー・ヘプバーン。いやはや、誠にキュートなんですが、このときすでに30代なかば。(いやいや女性は年齢ではありません。決して。) 演技派への転換期ということもあって実に慣れたもの。といった印象。派手な演技なのにさすがの安定感ですね。対するピーター・オトゥールは逆におとなしめ。この対比が何ともしっくりきます。違和感なく逆に名コンビ感を実によく出しています。また、父親役のヒュー・グリフィスのコミカルさやアメリカ人収集家のイーライ・ウォラックのオタクぶりもキャラクターが引き出て楽しめます。さらに愉しいのは美術館の警備員たちの間抜けぶり。この辺は漫画的。こういった特徴ある人物像を、しかも個々に惹きたてる描き方などもやはりワイラーの職人技と言えるでしょうか。 ジョン・ウィリアムスの大仰な音楽に、これまた大仰なオープニング・タイトル。と冒頭からしてワイラーのにおいぷんぷん、と思いきやバックは何とも軽快。ヘプバーンの颯爽としたお嬢様ぶり。このアンバランスさに映画の時代の転換期を思ってしまうのですが、これはまた内容とは別の話。中身はもう100%娯楽作品。ストーリーを楽しむのもいいし、ヘプバーンに酔いしれるのもいいでしょう。どんな風に見ても満足感たっぷりの映画だと思います。 | |