映画鑑賞記

ザ・ウォッチャー
preview The Watcher(2000/アメリカ/96分)
[監督] ジョー・シャーバニック
[脚本] クレイ・エイアーズ
[撮影] マイケル・チャップマン
[音楽] マルコ・ベルトラミ

[出演]
キアヌ・リーヴス、ジェームズ・スペイダー、マリサ・トメイ、クリス・エリス

[評価] ★★☆☆☆
LAで連続殺人鬼グリフィンを取り逃がし恋人まで殺されたFBI捜査官キャンベル。シカゴで絶望の日々を送っていたが、そこに再びグリフィンからの殺人予告が・・・。FBI捜査官と連続殺人鬼との対決を描いたサスペンス。意外性もなく構成も淡白。金のかかったB級映画といった趣き。
ストーリー
 シカゴの精神分析医ポリーの目の前に座っているのはFBI捜査官のキャンベル。彼はある殺人鬼グリフィンの話を。11人もの女性を殺害。FBIに挑戦しておきながら、逮捕はおろか、その姿すら分からないという犯罪者だったのです。キャンベルは、LAで何年も追い続け、あと一歩のところで取り逃がし、挙句は恋人まで殺されてしまっていたのでした。そして逃げるようにシカゴに来ると、精神科医の治療を受けるようになったのです。
 ある日、キャンベルがアパートに帰ると警察が。アパートの女性が殺されたと言います。刑事のホリスに止められ写真を見せられますがキャンベルの知らない顔。が、部屋に入ると三日前に届けられた郵便物。開けてみるとそこにはさっき見た女性の写真が。その意味をキャンベルは知っていました。それがグリフィンの殺人予告だと。
 FBIでは捜査の指揮を、以前グリフィンを追っていたキャンベルに任せようとします。キャンベルはいったんは断りますが家に帰るとまた殺人予告の郵便物が。グリフィンはなぜかキャンベルを自分の理解者であるかのようにまとわりつき、ここシカゴでも逃げられないと悟ったキャンベルはついに捜査に参加することを決意します。
 名前が分からない写真の女性。早速マスコミに協力が求められ、写真がテレビに流されることに。しかし有力な情報は得られず名前も居場所も不明のまま。しばらくしてようやく突き止めることができたのは勤め先の写真のラボ。そしてキャンベルたちは女性の家に急行するのでしたが・・・。

コメント
 かつて、ハリウッドを中心に大量につくられた猟奇もの、連続殺人もののB級映画。冒頭の精神分析のシーンからもろにこの匂い。ん〜、この映画、どうなんだろう、と思いつつ、最後までこの印象は拭えませんでした。違うのはキアヌ・リーブスが出ていて華があるのと、二、三、豪勢なアクションシーンがあるところ。
 見るところ構成上のまずさもあります。連続殺人を同じパターンの繰返しで描いてしまっているところ。それだけならまだしもテンポも同じ。まさに"コピペ"。派手なカーチェイスのシーンをはさんではいますが、残った中だるみ感はどうしようもありません。さらに、完全犯罪を十一回も繰り返してきた犯人なのに、犯行現場で警察と鉢合わせとはどうにもお粗末な手口のような気がします。こうなれば、シチュエーション上"顔すら分からない"犯人ではさすがに不自然でしょう。
 犯人役のキアヌ・リーブスは、スター俳優なのにチョイ役の悪役でも意欲的に取り組むような奇特な人。が、残念ながら見た目が良すぎて悪役に見えないのが玉に瑕、というところでしょうか。それに、なかなかいい味を出しているジェームズ・スペイダーは陰のある二枚目。熱血振りと落ち込み振りが自然でわかりやすい、ということで、ストーリーとは別にこの二人目当てに見る人は多いのでしょう。
 もりじょうのみならず、酷評ばかりが目立つこの映画。評価する人の多くはキアヌ・リーブスやジェームズ・スペイダーにのみ目を向けた人。さらに不幸なのは期待して見る人が多かったという点。ギャップが大きすぎるということでしょう。が、実は他のB級サスペンスとはさほど変わらないつくり。中だるみや抑揚のなさを承知の上で、"ちょっと"驚いたり"ちょっと"ハラハラしたり、と。個人的にはもっと刺激的な描写に変えてマニアックな作品にする方向もあったのでは、などと感じたりします。いずれにせよ、B級と割り切って軽い気持ちで見ればまた違うのではないかと思うのですが・・・。
* 評価やコメントは、あくまでも、"もりじょう"の個人的な感性に基づくものです。
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