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逢いたくてAu Plus Près Du Paradis(2002/フランス/100分)
cinema review ![]() STORY
同窓会の帰り。一人タクシーを待つフェネットをベルナールが見つけ傍へ。30年ぶりに再会したそのベルナールからやはり同窓生のフィリップの話が。しかしフィリップはかつてフェネットと恋人同士。ベルナールはフィリップに伝えておくと言って去っていきます。
そんなフェネットは今は一人暮らし。別れたフィリップのことが忘れられず、映画「めぐり逢い」を見ては安らぐのがせめてもの慰み。上司や同僚、娘や兄たちとの付き合いもどこかぎこちなく、疎外感の強さを覚えていました。そんなある日、いつものように映画館を足を運ぶと、フィリップに似た後姿を見かけます。急いで後を追いますが、見失ってしまいます。 一方、勤めている出版社の仕事で、「めぐり逢い」の舞台であるニューヨークへ行くことに。同じ頃、再会したベルナールから、電話番号をフィリップに教えたと聞きます。そして突然、アパートにフィリップの置手紙が。それはエンパイアステートビルで会おうというメッセージ。フェネットの心は激しく動揺します。 やがてニューヨーク。フィリップとの再会の日を心待ちにするフェネット。そんな時、カメラマンのマットと仕事を共にすることに。常に穏やかで自然体のマット。フェネットの鋭く頑なな心を少しづつ溶かし、近付いていきます。そんなマットにはじめは拒んでいたフェネットだったのですが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
名作「めぐり逢い」をモチーフにしたしっとりとした大人のラブストーリー。オールド・ファンは、今なおラブストーリーの主人公を演じているカトリーヌ・ドヌーヴに注目したことでしょう。フランス映画界が混沌を極めた時期をもはさんで長年揉まれただけに、その実力はさすがと言え、本作でも明快な人物像の内側で、微妙に揺れ動く心理を繊細に表現しているように見えます。
物語の主人公は中年女性フェネット(カトリーヌ・ドヌーヴ)。かつての恋人フィリップの影を引きずり、影を追い続けるキャリア・ウーマン。人間関係の淡白さ、心を覆う殻の厚さが見て取れます。前半は実は取り留めのないシーンが多いのですが、このフェネットと周囲の様々な人物との関わりを描写して、人物像をじっくりと浮き彫りにしていることは確かです。”私はいつも人を傷つける” と、中でも孤独感を吐露するシーンもあり、そのアンバランスな人物像に見るものは深く入り込んでしまうのではないでしょうか。 やがてフィリップの置手紙。エンパイアステートビルで会いたいというメッセージ。しかしニューヨークを訪れたフェネットはカメラマン、マット(ウィリアム・ハート)と出会ってしまうのです。あるがままの自分を表現し、あるがままの自分を受け入れる、そんなマットと微妙な距離で向かい合うフェネット。”今を楽しめ” というマット。やがてそれはフェネットの頑なな心を和らげていきます。しかし、マットの接近に心揺れながらも、フェネットはフィリップを追ってエンパイアステートビルへと向かうわけです。 冒頭からラストまで、主人公フェネットの心の解放を鮮やかに浮き彫りにしていきます。特にこの両シーンの対比は実に鮮やか。冒頭ではちょっとしたことに警戒し、心に壁を築く頑ななフェネットの姿があります。しかしそのラスト。フェネットはエンパイアステートビルを背に、ゆっくりと車道を横断します。その先にはフィリップという幻ではなく、ただ自分を見守っているだけのマットという現実の姿。「めぐり逢い」のワンシーンとは逆のシチュエーションというのがミソなのでしょう。しかしそれ以上に、フェネットの心の変化を鮮やかに描写しきったシーンと言えます。その変化は、マットとのふれあいの中で実に繊細に描かれているのも見事なところではないでしょうか。 全体を見れば、ラブストーリーというよりは女性映画といった感が強いでしょうか。ただし、徹底した大人の映画、という印象もあります。登場人物たちには、決して表現しきらないあいまいさがあります。それが深く微妙な余韻を生んでいるとも言えるのですが、見る側の捉え方・感じ方が本作の評価を分けることになりそうです。いずれにせよ、とっつきにくさは否めないかもしれません。 |
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カトリーヌ・ドヌーヴ
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