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アメリ

Le Fabuleux Destin D'Amélie Poulain
(2001年/フランス/120分)

[監督]ジャン=ピエール・ジュネ
[脚本]ジャン=ピエール・ジュネ、ギヨーム・ローラン
[撮影]ブリュノ・デルボネル
[音楽]ヤン・ティルセン
[出演]オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ、 リュフュ、ロレーラ・クラヴォッタ、セルジュ・メリン、ジャメル・ドゥブーズ、クロチルド・モレ、クレール・モーリエ、イザベル・ナンティ、ドミニク・ピノン、アルチュス・ド・パンゲルン、ヨランド・モロー、ウルバン・カンセリエ、モーリス・ベニショー、ミシェル・ロバン、アンドレー・ダマン、クロード・ペロン、アルメレ

[内容]

 内気で空想好きのウエイトレス、アメリ。ある日、昔の住人の宝箱を発見。中はたわいのないおもちゃや写真。アメリはふと、箱の持ち主を探そうと思い立ちます。そして喜んでくれたら自分も変わろうと決意。50歳となっていた持ち主を探し当たるのでしたが ・・・。キュートで内気なアメリのいたずらと冒険を描いたコミカル・ドラマ。かつてのパリ下町物語を思わせる伝統と斬新な現代的センスのつくりが絶妙。見て幸せになれる映画の筆頭格か。
[評価]★★★★★

cinema review

STORY

 1973年、医者の父と元教師の母との間にアメリ・プーランが誕生。6歳の健康診断の時、珍しく父に触れられてドキドキしたのを心臓病と勘違いされ、以来、学校には通わず精神不安定の母に学ぶことに。しかし冷淡な父と神経質な母との間で、アメリはすっかり空想で現実逃避をするようになってしまいます。
 そして1997年。一人暮らしを始めたアメリは、モンマルトルのカフェ、ドゥ・ムーランのウエイトレスに。空想好きは相変わらずでしたが平穏な生活。しかしある日、アメリの人生を変える日がやってきます。その日、アメリは部屋で小さな箱を発見。中には写真やらおもちゃやらが入っていて、昔住んでいた子供が隠した宝箱だと気付きます。ふと、アメリは箱の主を探そうと思い立ちます。そして、もし箱の主が喜んでくれたら自分の世界を飛び出そう、と決心するのでした。
 アメリは早速古くからの住人たちに聞いて回り、箱の主が40年前に住んでいた、当時10歳のブルトドーだと分ります。その本人を探しているうちに、偶然、不思議な青年ニノ・カンカンポワと出会い一目ぼれ。ニノは、なぜかスピード写真機に周りに落ちている写真を拾ってはアルバムにしていた変わり者。しかし内気なアメリは声をかけることができません。
 一方、アメリが拾うように仕向けた宝箱を手にしたブルトドー氏は涙を流して感動。それを影で見たアメリは満ち足りた気分になります。しかしアメリは気付きます。他人と関係を結べなければ自分は永遠に孤独だと。そしてその日から、アメリの、人を幸せにするちょっとしたいたずらが始まります ・・・。

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COMMENT

 ジャン=ピエール・ジュネ監督の「エイリアン」には驚きましたが、その後なぜかフランスへ帰ったのもまたちょっと意外でした。その復帰作の本作はいかにもフランス的な映画。昔の、パリを舞台にした市井映画のようなつくり。一方では非現実的な斬新な映像。とはいえ不思議なほどいやらしさがなく、これ見よがしに過度の演出をする日本のテレビドラマ陣とは決定的な差を見せ付けた感があります。おそらくは近年フランス映画の代表作の一つと呼べるでしょう。
 その冒頭は有名なシーンとなりました。精子と卵子が結合するという奇想天外なオープニング。そしてこれも有名になった、「嫌いなコト」、「好きなコト」、で始まる人物紹介。ベテラン監督とは思えない若い発想の映像が次々と繰り出されてきます。本作の主人公がまた魅力たっぷり。内気で空想好きなアメリ(オドレイ・トトゥ)。他に、カフェの主は男勝りのマダム・シュザンヌ。病気魔の売店係ジョルジェット、同僚のジーナと彼女のストーカーで一日中ジーナを監視しているジョセフ。30回も出版拒否をくらった売れない作家イポリト。留守中猫を預かるのが通例のスチュワーデス、フィロメーヌ。青果店の意地悪な主人コリニョンと、頭は弱いが気の優しい店員リュシアン。そして向かいのアパートに住み、骨が脆く20年間部屋を出たことがないという画家のデュファイエル。とにかくまわりは個性的な面々ばかり。それにしても、時におおらかで時に偏狭な彼らの小市民振りが実にはまっています。
 物語は、そんな中で平穏な生活を送っていたアメリのちょっとした冒険を描いたもの。あることをきっかけに自分の殻を打ち破ろうとするアメリ。ちょっとしたいたずらで人を幸せにする楽しみを覚えますが、肝心の自分の恋は一向に実りません。そんなアメリのいたずらに翻弄される回りの人間たち。ある者は幸せに浸り、ある者は復讐におののく。が、面白おかしなそれぞれの物語の影には、常にアメリの成長が隠されているのが見事なところではないでしょうか。
 そして物語は謎だらけでもあります。どれもがたわいのない謎なのですが、これが終始見る物をひきつけて止みません。宝箱の謎から始まって、捨てた写真を集める男の謎、その中に常に混じっているスキンヘッドの男の謎。アメリの父親に届く、世界中を旅しているところを写したドワーフ(人形)から届く絵葉書の謎。一方では、スピーディな物語の中にも人間の繊細な感情にきちんと触れているところが感動を誘います。
 コミカルな路線をベースにしながら、人情モノを思わせる人間クサさはいかにも日本人好みという気がします。とりわけ日本での評価が高いのもうなづけるのではないでしょうか。

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ジャン=ピエール・ジュネ関連作
(デリカテッセン、エイリアン4)
オドレイ・トトゥ関連作
(ロング・エンゲージメント、ミシェル)


www.sasaraan.net

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