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イン・ザ・カットIn the Cut(2003年/アメリカ/121分)
cinema review ![]() STORY
ニューヨーク。大学で国語を教えるフランシス・エヴリーは、ある日、学生のコーネリアス・ウェッブとレポートの話をしに「レッド・タートル」というバーへ入ります。ほどなくトイレにたつフランシス。しかしトイレにはセックスをしている男女。男の手首あったスペードの3のタトゥーが目に入ります。
その後フランシスが家に帰るとマロイという刑事が待っています。近くでバラバラ殺人が起こり、あたりを聞き込んでいたのです。翌日には、その被害者がレッド・タートルにいたことが判明。フランシスが店にいた時、被害者の女性もそこにいたと言います。一方ではマロイの手首にスペードの3のタトゥーがあるのに気付き、店のトイレでセックスをしていた男がマロイだと考えます。しかしデートに誘われたのを機に付き合うように。 ある夜、フランシスはマロイに、あなたをバーで見かけたと打ち明けます。しかし否定するマロイ。やがてフランシスは、マロイがバラバラ殺人犯ではないかと疑うようになっていきます。そんな中、今度はある地下のランドリー室で女子医大生のバラバラ死体が発見されます ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
バラバラ連続殺人事件をモチーフにしたサスペンス・ドラマ。が、ジェーン・カンピオン監督ということで、コテコテのサスペンスにはなっていません。むしろ繊細な女性映画に近い感じ。二時間出ずっぱりのメグ・ライアンが、現実の世界に淡白で、常に感情を押し殺したような主人公フランシスを好演。みずから志願しただけのことはあります。
このフランシスの唯一の楽しみは言葉の収集。そして唯一心を許せる存在が異母妹ポーリーン。刑事マロイと付き合ってもどこか距離を置いている様子がよく分ります。そして時折見る両親の夢。グレアムのストーキング。目に飛び込んでくる文字の数々。その一つ一つが、フランシスの心理をひそかに象徴しているのが見事なところ。さらに各シーンの美しくも絶妙のカットにも注目したいところ。一方では、フランシスばかりでなく、コーネリアスやグレアムなど、不安定な人物描写を通して、あいまい混沌とした現実世界を描き出しているとも言え、女性監督らしい細やかさを感ぜずにはいられない作品となっています。 舞台はニューヨークの下町。大学講師フランシスは学生とあるバーへ入ります。そのトイレで男が女にフェラをさせている現場を目撃。その腕に彫られたスペードの3が、フランシスの記憶に刻み込まれます。ほどなく、マロイ(マーク・ラファロ)という刑事が近くで起こったバラバラ殺人の聞き込みに訪れます。が、フランシスはその腕にスペードのタトゥーを見つけるのです。 それと知りつつも、誘われるままにマロイと付き合い始めるフランシス。やがて、被害者の女性がバーにいたことから、マロイが犯人ではと疑うようになるわけです。実は早い段階で、スペードのタトゥーのことはマロイに打ち明けられます。しかしマロイは最後まで何もせず、やや不可解な展開を招いてしまっています。真犯人が誰かということもそうですが、いずれも80〜90年代に大量生産された猟奇サスペンスのマニュアル通りのつくりで、この点新鮮さは希薄と言えます。 一方、本作の醍醐味は主人公をめぐる人間ドラマにあります。ゲイシー事件を追う学生コーネリアス(シャーリーフ・パグ)、執拗にストーキングを繰り返すグレアム(ケビン・ベーコン)、逆にみずからストーキング行為で恋を成就させようとする異母妹ポーリーン(ジェニファー・ジェイソン・リー)。何より現実に淡白なフランシス。バラバラ事件ですらフランシスの日常に対するその姿勢を変えることはありません。いずれもが実に不安定な人物で、彼らが交錯するシーンでは、より大きな不安感を醸成しています。 全体的にサスペンスとしての展開を維持しながら、繊細な人間ドラマ・心理ドラマを並行して描いていくつくり。どちらを主に見るかで感想は違ってくるような気がします。この点では、中途半端という捉え方をされるのはやむをえないことかも知れません。 |
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ジェーン・カンピオンはオーストラリアで活躍していた監督。代表作はみずからの生地ニュージーランドを舞台にした「ピアノ・レッスン」(1993)。ちなみにもう一本の代表作「ある貴婦人の肖像」(1997)はイギリス映画。本作はアメリカ映画ですから世界をまたにかける女監督ということになります。
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