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男と女

Un Homme Et Une Femme(1966年/フランス/104分)

[監督]クロード・ルルーシュ
[脚本]ピエール・ユイッテルホーベン / クロード・ルルーシュ
[撮影]クロード・ルルーシュ / パトリス・プージェ
[音楽]フランシス・レイ
[出演]アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン

[内容]

 子供を預けていた寄宿舎で偶然出逢った男と女。女はスタントマンだった最愛の夫を事故で亡くしていた。そして男の最愛の妻も、夫のレース事故を嘆いて自殺していた。今なお傷が癒えない二人。ためらいながらも互いに近づこうとするのだったが ・・・。フランシス・レイのテーマ曲があまりにも有名な、リリカルなラブストーリーの決定版。音楽、背景、構成、そしてストーリー、と、まさに美を極めた映画。
[評価]★★★★☆

cinema review

STORY

 子供を預かるとある寄宿施設。その日、男ジャン=ルイは息子、女アンヌは娘と一日を過ごします。そして帰り。男は電車がなくなって町に泊まろうとしていた女を車に乗せます。あいさつ、社交辞令。やがて女はスタントマンの夫の話を。が、それは幸せだった頃の想い出話。また会うことを約束して分かれた二人。別れ際、男は女の夫がスタント事故で亡くなったことを知ります。
 そして再会。楽しい時を過ごす二人。惹かれ合い近づき合い、やがて男の手が女の手に。が、女の表情が曇ります。奥さんは? 男の妻は、レース中の事故で重傷を負った夫の様子を見て、錯乱して自殺してしまっていたのでした。
 幸せだった結婚生活。悲しい過去をひきずり、拭いきれないでいる二人。やがて男はレース、モンテカルロラリーへ、女は映画の撮影へ。互いに別の道を歩んだかに見えた二人でしたが・・・。

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COMMENT

 映像、音、ストーリー、と、美を極めた、と言ってもいい作品。ラブストーリーの名作ですね。この映画のファンは多いでしょう。フランシス・レイの硬軟を共存させた見事な音楽をバックに、あまりにも繊細なストーリーが展開します。
 物語は、幼い子供を寄宿施設に預けている男と女の出会いから始まります。偶然の出会いのはずが、すぐに互いに惹かれ合うようになります。が、女は夫を、男は妻を悲劇的な事情で亡くしていたのです。中盤まで、この二人の感情表現は抑えられたまま描かれます。対照的に描かれる幸福だった頃の回想シーン。そのせいもあり、見る者にとって、その姿はあまりにも危うくて繊細。
 終盤。二人の気持ちは一気に盛り上がり、そして冷めていきます。"ひとつの愛は終わることがない" "過去を引き摺る二人" 切ない歌声がバックに流れます。失ったもののあまりの大きさ。二人の出会いは早すぎたのか。しかし男はつぶやきます。"時間など関係ない" と。
 作品中は水にこだわった背景が終始使われます。海、川、濡れた路面、水しぶき、そして何と言っても雨。そう。なぜか大人の恋には雨が似合ってしまうのです。この美しい背景もまたこの映画の魅力。かといって決して背景が一人歩きをしているわけではないのが分かります。背景のみならず、音楽や人物が、それぞれ主張しながらも一体となって物語の中にたたずんでいるのです。
 正直言って、決しておもしろいストーリーが展開するわけではありません。が、おもしろさは重要ではありません。頭で理解するよりも感性で受け止める映画。見終わった後、音と映像のイメージが見事に心の中に焼きついているのが実感できます。一度見れば忘れられず、そしてまたすぐに見たくなってしまう魅力。まさに、ラブストーリー好きが見るラブストーリー、と言えますね。

(ワーナー・ホーム・ビデオ)
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クロード・ルルーシュ関連作
(レ・ミゼラブル、愛と哀しみのボレロ)
アヌーク・エーメ関連作
(甘い生活、フェリーニの8・1/2)
ジャン・ルイ・トランティニャン関連作
(フリック・ストーリー、トリコロール/赤の愛)

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 本作は続編がつくられています。「男と女U」(1986)もまた、ルルーシュ監督作品。二人が再会して愛を再燃させるというストーリーで、20年という歳月の差がそのまま活かされています。本作と続けて見るのもいいかもしれません。

www.sasaraan.net

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