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鑑賞記(洋画) |
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Information |
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ウェールズの山
The Englishman Who Went Up A Hill But Came Down A Mountain (1995年/イギリス/99分)
| [監督] | クリストファー・マンガー |
| [原案] | アイバー・マンガー |
| [脚本] | クリストファー・マンガー |
| [撮影] | ヴァーノン・レイトン |
| [音楽] | スティーブン・エンデルマン |
| [出演] | ヒュー・グラント、タラ・フィツジェラルド、コルム・ミーニー、イアン・マクニース、イアン・ハート、ケネス・グリフィス、チューダー・ボーン、ヒュー・ボーン、ロバート・ピュー、ロバート・ブライス、ガーフィールド・モーガン、リサ・パルフリー、ダフィッド・ウィン・ロバーツ、ユアン・リース、アンウェン・ウィリアムス |
[内容] |
二人のイングランド人測量士がウェールズのフュノン・ガルウを測りに訪れる。が、標高は299メートルで山と認めるには6メートル足りなかった。それを知った村人たちは大騒ぎ。山は村の誇りだった。そこで二人を引き止め、頂に6メートル分の土を盛り始めるのだったが ・・・。丘を山に変えようとする村人たちと、それに巻き込まれた測量士の姿をユーモラスに描いた人間ドラマ。地味な作品ながら、愛に笑いに友情に、と、ほどよい演出で着実に感動を起こさせる。ハートウォーミング・ドラマの佳作。
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| [評価] | ★★★★☆ |
第一次大戦中の1917年、ウェールズのある小さな村。イングランドから二人の測量技師、ジョージ・ガラードとレジナルド・アンソンが車で訪れる。目的は地図を作成するため、フュノン・ガルウ山の高さを測ることだった。二人は、節操のないことから「好色」とあだ名されたモーガンの宿屋に腰を落ち着ける。その間村中に測量の話は広まり、ジョーンズ牧師はじめ多くの村人は半ば迷惑顔。フュノン・ガルウはウェールズの最初の山として村人が誇りにしてきた山だったのだ。 さらに、標高305メートル以下なら「山」ではなく「丘」となり、地図には載らないことがわかると村中大騒動となる。モーガンの店に集まり固唾を呑んで測量結果を待つ村の男たち。が、結果、標高は299メートルだった。絶望にひしぐジョーンズ牧師は急きょ村人たちを招集。嘆願書を出すと宣言。が、モーガンが6メートル高くしようと提案する。牧師とモーガンは犬猿の仲で、ことあるごとにいがみ合ってきたが、最後には牧師も折れ、村人をかき集めて土を頂に運ぶ作業が始まる。 一方、仕事を終え村を去ろうとしたガラードとアンソン。が、モーガンのいたずらで車は故障。修理屋は修理を引き伸ばし、駅員は汽車はないと言い張る。さらにモーガンは自分の情婦・エリザベスをけしかけて二人の相手をさせ時間を稼ぐ。その間土は着々と盛られていき、そんな村人たちの様子に気付いたアンソンは徐々に心を動かされてゆく ・・・。

原題は「丘を登って山を降りてきたイングランド人」という長いもので、しかし実によく物語の本質を表現しています。このイングランド人というのも多少の予備知識は必要となるのでしょうか。かつては独立王国だったウェールズ。しかし13世紀にイングランドに併呑。おもしろいことに、それから530年もたつというのに、訛りが通じないのはともかく、ウェールズ人とイングランド人が、互いに「外国(人)」と呼んでいる様が作中描かれています。ウェールズの独立性が物語の重要な背景となっているのがよくわかります。 時は1917年。第一次大戦は膠着し泥沼の最中。そんな時、ウェールズのある村に、二人の測量士、ガラード(イアン・マクニース)とその助手アンソン(ヒュー・グラント)がやってきたことから騒動は始まります。何の変哲もない村。その村の唯一の誇り、フュノン・ガルウが山ではなく丘であったことが、二人の測量で判明してしまうのです。不足分の標高は6メートル。村人たちは老若男女問わず集結。6メートル分の土を頂に盛り始めるわけです。 何となくばかばかしい話、なのですが、映画の雰囲気はそれを見事におもしろみに変えてしまっています。おかしな話であることをすんなり認めつつ、繊細さと皮肉さの入り混じった絶妙のナレーションがこれを援護しています。ともかくも、特に序盤ののんびりとしたユーモアを帯びた雰囲気は抜群で、見る物を物語にたちまち引き込んでしまいます。が、時間がたつにつれ、人間味たっぷりの物語へと昇華されて行くのです。 ちょっとヘンな村人たちも物語のアクセントの一つ。やたらと女好きな「好色」モーガン(コルム・ミーニー)、お堅い牧師かと思いきや丘を山にするために次々と戒律を破っていくジョーンズ牧師(ケネス・グリフィス)、山が丘でもただ一人冷静なデイビス教師(ガーフィールド・モーガン)等。聖人君子とは言い難いながら、誰も彼も憎めないのが見事な人物設定。 が、終盤、村人たちの努力にもかかわらず時間切れ。この時アンソンは、モーガンにあてがわれたエリザベス(タラ・フィツジェラルド)とすっかり恋に落ちてしまい、一方では事態を悟り見て見ぬ振りを決め込みます。そして最後、アンソンはついに村人と一緒になって土を盛り始めるのです。このラスト十数分はなかなか感動的なモチーフに仕上がっています。 決して派手な物語ではなく、ドラマティックな展開も希薄ですが、実に愛すべき映画というのがピタッと来る映画。おかしな物語におかしなシチュエーション、さらにはおかしな登場人物なのですが、不思議にやりすぎと感じさせない魅力があります。これはちょっと忘れられない映画になるのではないでしょうか。
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