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カサンドラ・クロスThe Cassandra Crossing(1976/イタリア・イギリス/128分)
cinema review ![]() STORY
スイス、ジュネーブ。国際保険機構の研究所にテロリストが入り込み、警備員たちと銃撃戦が展開。テロは鎮圧されますが、テロリストの一人は逃げおおせてしまいます。しかし、そのテロリストは、逃げる際に病原菌の入ったビンを割ってしまい、感染してしまったのでした。
それと知らずにストックホルムへ向かう大陸横断特急に逃げ込む犯人。一方、捕まえたテロリストの様子がおかしいのを見て、ただならぬものを感じた医師のエレナは、アメリカ軍が極秘で培養していた病原菌に侵されたのだと悟ります。やがて、アメリカ軍のマッケンジー大佐が対処のため指揮を執りはじめ、大陸横断特急に犯人が乗ったことを突き止めます。 そして、列車の乗客リストから、有名な神経外科医、チェンバレン博士が乗っていることを知ると、協力を要請。チェンバレンは元妻ジェニファーや車掌とともに列車内を探索。ついに瀕死の状態の犯人を発見します。が、すでに乗客たちへの感染が始まっていました。そして、その治療法は発見されていなかったのです。 一方、、マッケンジー大佐は、感染を列車内にとどめようと鉄板で列車を覆って隔離。さらに兵を乗り込ませ、逃亡者は射殺するという非情な手段に出ます。そして、列車をポーランドのヤノフで隔離するため、カサンドラクロスと呼ばれる鉄橋へ向かうよう命令。しかし、ユダヤ人の行商人カプランは、そこが30年も使用されていない危険な橋であることを知っていました。決死の看病を続けていたチェンバレンたちは、それを聞くと列車を止めるべく抵抗を始めるのでしたが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
一級の細菌パニックものとしては、比較的早く登場した映画。B級ものでは多少ありましたが、有名所では「アンドロメダ病原体」(1971)くらいでしょうか。日本でも「復活の日」(1980)なんてのがありました。これらに比べても、ストーリー自体はかなりのおもしろさではないでしょうか。
物語は、アメリカ軍が極秘に培養した病原菌に侵されたテロリストが大陸横断特急に逃亡し、乗客に感染。これを列車ごと隔離しようとする当局は、カサンドラクロス鉄橋に向かうよう指示。ところがこの鉄橋は30年も使われていない崩壊寸前の橋。乗客たちは乗り込んできた兵士たちと争い、これを阻止しようとするもの。一方では病原菌の解明が試みられるも一向に進展せず。列車内でも決死の看病。一様ではないストーリー展開ながら、分りやすくすっきりとまとめているのは本作の特徴と言えると思います。 本作はパニック映画独特のつくり。様々な事情を持つな登場人物たちの人間模様が同時に描かれていく、という点です。そのための描写で序盤のテンポが犠牲になり煩雑さも増しますが、以降の多面的な展開をスムーズに演出するには効果的です。本作でも、様々な登場人物の事情が後半に次々と活かされ、物語の情緒面を大いに支えています。 チェンバレン博士(リチャード・ハリス)と二度にわたって結婚離婚を繰り返してきた元妻のジェニファー(ソフィア・ローレン)、武器商人の夫人ニコール(エヴァ・ガードナー)と登山家の若い愛人トム(レイ・ラブロック)、神父に扮して麻薬密売人を追う捜査官(O・J・シンプソン)、ナチスのユダヤ人収容所にいた過去をもつカプラン(リー・ストラスバーグ)など。彼らの状況とともに築かれていく人間関係が、物語に大きな人間味を添えています。 また、アクションシーンにも見所をつくっています。高速走行中の列車を窓伝いに進むシーン、列車が走りながら感染者をヘリコプターで格納するシーンなどはスリル満点。が、どうして列車を止めないのだろうというのが素朴な疑問があるのも事実。何と言っても隠れた主役である病原菌の弱点、このあっけなさも賛否分かれるところではないでしょうか。今見てもやはり「ふーむ」と首を傾げてしまいます。もうひとひねり、と望むのはわがままでしょうか。 監督のコスマトスは、この作品のおかげかどうか知りませんが、その後ハリウッドに進出。シルベスター・スタローンと組んで、「ランボー(怒りの脱出)」や「コブラ」を監督しています。質はともかく、ちょっとしたヒットメーカーと呼べるでしょうか。ともあれ、ストーリーに恵まれ、豪華な俳優陣を配し、娯楽色豊かに仕上がっています。一方ではヨーロッパの背景が独特の質感を加味。ジェリー・ゴールドスミスの哀愁漂う音楽も注目したいところです。ヨーロピアン・エンターテイメントを堪能するにふさわしい作品ではないでしょうか。 |
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本作はヨーロピアン・エンターテイメントらしい重厚な配役。個性的な容貌のリチャード・ハリスは近年、ハリー・ポッター・シリーズで校長先生を好演。元気な姿をファンに披露しています。
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