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外套と短剣Cloak And Dagger(1946年/アメリカ/106分)
cinema review ![]() STORY
第二次大戦末期の南フランス。連合国側のスパイがドイツ軍が大量のウラン鉱を輸送する列車を発見。暗号を打電します。本部ではウラン鉱とモナズ石をドイツが集めていると判断。マンハッタン計画のメンバーでもあるアルバ・ジェスパー教授に助言を求め、それが原爆開発に使用されるものであることが確認されます。
そして、OSS(戦略支援局)の要請を受け、科学知識のあるアルバはドイツの原爆開発の状況を探ることに。折しもドイツの原爆開発に携わっていたロドー博士が亡命してスイスで入院中。アルバは貴金属商に化けてスイスに潜入。現地のスパイ・マソーリと協力して一度はロドー博士に接触できたものの、ドイツ側に察知されて博士は殺されてしまいます。 しかしロドー博士から、親交の深いポルダ教授の名前を聞いていたアルバは、いちるの望みを賭けてイタリアに向かいます。そこで抵抗組織のメンバー、ピンキーとジーナと合流。今度はドイツ科学者に扮装して、ゲシュタポ監視下のポルダ博士に会うことに成功します。 そして博士は、人質になっている娘の救出を条件に協力を約束。ピンキーとマソーリが工作にはしります。一方、娘の救出後に博士を連れ出す役となったアルバとジーナはアパートに潜伏。二人きりとなり徐々に惹かれ合うようになっていきます。そんなある時、ふとしたことからアパートの管理人に気付かれてしまい、逃避行をすることになったのですが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
外套と短剣とはスパイを表す隠語。フリッツ・ラング監督独特の速い展開で、見る者に息つく暇も与えないスパイ・サスペンス。ラング作品は評価が分かれることが多く、その一因はドイツ時代の個性的な映画制作と比較される点にあります。なぜかハリウッドでは格下ともとれる映画を多く撮っており、本作も微妙なところではないでしょうか。が、娯楽性の高さと独特の手法は折り紙つきで、特に本作はジェットコースター・ムービーのはしりとも言える要素を持っています。
物語は第二次大戦中、ドイツの原爆開発の現状を探るために派遣された科学者アルバ・ジェスパー(ゲーリー・クーパー)の活躍を描いたもの。後半には、イタリアの対ナチス抵抗組織のメンバー、ジーナ(リリ・パルマー)とのラブストーリーもあり、一大冒険譚とも言えます。 全編、特に前半のすばやい展開は多分に紙芝居的で、抜群のおもしろさを持つ上に非常に分かりやすいつくりとなっています。が一方、心理描写は淡白で、感情移入する隙はあまりないとも言えます。特にラストの、アルバとジーナの別れのシーンは感動的であるはずですが、やや機械的に感じてしまいます。この点、展開重視のつくりの裏で、犠牲になったと言えるでしょうか。 作中でも出てくるマンハッタン計画(アメリカの原爆開発プロジェクト)。その一員であるジェスパー教授が、科学者の良心を持ち出してポルダ博士(ウラジミール・ソコロフ)を説得するあたりは、今では大きな矛盾を感じざるを得ません。が、当時は戦中戦後のことでもあり、本作からも感じ取れるように、まだまだ戦意高揚の空気が残る時代。反戦反核に対する感覚の鈍さをうかがい知ることができます。 ともあれ、情感の薄さは否めまず、やや無機質さが残るかもしれませんが、娯楽性は十分。エンターテイメント映画の古典とも呼べるのではないでしょうか。 |
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「メトロポリス」(1926)で世界を驚かせたF・ラング監督ですが、ドイツからアメリカにわたってからはB級に近い作品を量産。大きく趣を変えました。しかし「死刑執行人もまた死す」(1943)など一部の作品は、いまだに極めて評価が高く、その天才ぶりを垣間見ることができます。
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