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ゴッドファーザーThe Godfather(1972年/アメリカ/175分)
cinema review ![]() STORY
戦後間もないニューヨーク。ドン・コルレオーネの屋敷で末娘・コニーの盛大な結婚式が催されます。その中には、恋人ケイを伴って来た、ファミリー唯一のかたぎ・息子マイケルの姿も。しかし明るい日差しの下、陽気に進行するその裏では、様々な人物がドンへ陳情に訪れていたのでした。
ある時、ソロッツォという男がドン・コルレオーネを訪れ、麻薬を商売にする話を持ちかけてきます。豊富な資金と政治家への根回しにはドンの力が必要だったのです。長男のソニーやコンシエリ(相談役)のトムは金になると乗り気でしたが、ドンは麻薬を嫌いこれを断ります。しかしソロッツォはタッタリア・ファミリーの後押しを受けてドンを襲撃し、話に乗り気だったソニーと手を結ぼうと画策。が、ドンは五発の銃弾を受けたものの命だけは取り留め、ソニーも復讐の機会を狙います。そしてマフィアを遠ざけていたマイケルもドンの身を案じて駆けつけて来るのでした。 やがてソロッツォは停戦を提案してきます。が、一方であくまでもドンを亡き者にしようとするソロッツォを、会合へ赴いたマイケルは暗殺。シチリアのコルレオーネ村へと身を隠します。抗争が激化するニューヨークや追っ手を気にかけながらも地元の娘アポロニアと結婚。穏やかな日々を過ごしていたのですが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
MAFIA とは、13世紀フランスに支配され、抑圧されていたシチリア人たちの合言葉 "すべてのフランス人に死を、これはイタリア人の叫びだ" というのが語源だそうです。現実現代のマフィアでは失われたようですが、掟を重んじ血を尊ぶ、そんな性格が物語の当時のマフィアにはあったのでしょう。
それはともかく、60年代、主に米仏で数多く作られたギャング映画。本作はその集大成的な存在。マリオ・プーゾのベストセラーが原作。映画でも脚本に参加。以降、映画界で筆を振るうようになります。また、監督10年目のコッポラがその地位と名声を不動のものにした映画としても有名。映画としてのつくりは前時代的な緩慢さを引きずってはいますが、その人物描写は卓越したもので、未だ新しいファンをつくることをやめない不朽の名作と言えます。 冒頭、娘の復讐を依頼に来た男に、ゴッドファーザーと自分を呼ぶよう要求するドン(マーロン・ブランド)。それが契約の証であり、この暗黙の契約がマフィアの絶対の掟であることを端的に描写しています。そんな光を遮った部屋での密談の数々。一方、外では明るい日差しの下、陽気に行われる大規模な結婚パーティ。光と闇の対比があまりに鮮やかです。 この結婚式からハリウッドでの馬の生首のシーンまでの長大な導入部。しかしここで示される数々の断片が、見事にそれぞれの人物像をあぶり出します。しばらく二人の主人公、ドンと息子マイケル(アル・パチーノ)は顔を合わせません。しかし序盤、ドンは結婚式の記念写真にマイケルがいないことを気にかけ、マフィアの世界を嫌っていたマイケルはドンが撃たれるとすぐさま駆けつけるのです。そしてベッドに横たわるドンと始めて言葉を交わします。ここから本当の物語が始まったと言っていいのかもしれません。 粗暴で短気な兄ソニー(ジェームズ・カーン)の暴走から、殺伐とした展開となる中盤。裏切りと殺戮が繰り返される中、マイケルはついにマフィアの世界に足を踏み入れ、その冷徹な人物像が顕わになっていきます。が、それはドンから受け継いだ血とも言うべきものかもしれません。そして最後、相手の罵声を浴び平然としてきたマイケルが唯一声を荒げるシーン。その相手、正義感の強い妻ケイ(ダイアン・キートン)に平然とうそをつくと抱きしめ、次の瞬間にはドン・コルレオーネと呼ばれ崇められるマイケル。そしてケイの目の前で閉じられる扉。しかしここで思い起こされるのは、マイケルに家族は幸せかと聞いていたドンの言葉。本作で丹念に描かれてきた血と絆は、より狡猾で非情なドンの誕生とその陰で涙を流す妻ケイの対比によって、新たな非情なものへと変貌したことを表しているようです。この見事なラストは見る者に長く深い余韻を残し、ため息とともに物語は幕を閉じるのです。 本作については、何時間でも語れる、というファンが多いに違いありません。一方、男性ファンには絶大な人気を誇る本作ですが、ギャング映画は男性映画という一面を免れることができないようです。本物語でも、理不尽な暴力に遭い、あるいは無為に殺され、あるいは騙され、と、徹頭徹尾男たちの犠牲にされていきます。作品の性格上やむをえないとは言え、このあたりのバランスの悪さが、女性ファンの伸張を妨げているのでしょう。 ともあれ、ギャング映画という以上に世界の映画史にその名を刻み付けた本作。確かに、せりふに頼らない卓越した描写はずば抜けているといえます。完成度は後の作品群に譲るかもしれませんが、コッポラの偉大さを実感できる一本であることには違いありません。 |
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マフィアの世界を描いた壮大な叙事詩。シリーズは以下の三作。
... ゴッドファーザー(1972) ... ゴッドファーザーPARTII(1974) ... ゴッドファーザーPARTIII(1990)
「ゴッドファーザーPARTII」(1974/アメリカ)
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