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キッド

The Kid(2000年/アメリカ/104分)

[監督]ジョン・タートルトーブ
[脚本]オードリー・ウェルズ
[撮影]ピーター・メンジース・Jr
[音楽]マーク・シェイマン
[出演]ブルース・ウィリス、スペンサー・ブレスリン、エミリー・モーティマー、 リリー・トムリン、チー・マクブライド、ジーン・スマート、ダナ・アイヴィ

[内容]

 イメージ・コンサルタントとして成功したラスの前に、突如7歳の自分ラスティが現れる。が、ラスはいじめられていた昔を思い出させるラスティを嫌い、ラスティは子供の頃の夢を何一つ叶えていないラスに白い目。やがて二人の間に奇妙な友情が生まれてゆく ・・・。大人の自分と子供の自分というおかしなコンビが起こす騒動を描いたドラマ。大人から子供まで楽しめる安心健全なファンタジー。でもブルース・ウィリスがいじめられっ子ってのはちょっと無理があるか?
[評価]★★★☆☆

cinema review

STORY

 クライアントのイメージを上げるイメージ・コンサルタントで成功を収めたラス・デューリッツ。ある日、ラスが家に帰ると、ラスティと名乗る太った子供が。まもなくそれが32年前の7歳の自分だと気付きます。それは、思い出すのを避けてきた少年時代の記憶をラスに呼び覚まさせることになります。
 一方ラスティも落胆。夢であったパイロットでなく、犬も飼っていない、家族もなく孤独。自分が夢見ていたものを何一つラスは持っていなかったのです。互いに白い目で見ながらも共同生活を始める二人。ラスは仕事にもくっついてくるラスティを甥だと言って周りをごまかします。さらにいじめに遭っていた昔の自分を鍛え直すべく、ボクシングを習わせはじめます。ところが、仕事仲間のエイミーは、二人のしぐさがあまりにそっくりなことに気付きます。実はラスがひそかに想いを寄せる相手。しかしエイミーにとってラスは軽蔑する男。そうと感づいたラスティは何とか二人をくっつけようと考えます。そして、ある夜、ついにみずからエイミーにプロポーズしてしまうのでしたが ・・・。

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COMMENT

 ジョン・タートルトーブ監督のファンタジー映画。チャップリン映画のリメイクか、とも思いましたがそうではありませんでした。本作は子供時代の自分が突然目の前に現れるという荒唐無稽なシチュエーション。しかしながら、ディズニー映画らしい暖かさがあって好感度は十分。誰が見ても安心して楽しめるつくりで、この点は同系統の作品が多いタートルトーブ監督らしい作品とも言えます。
 物語の主人公は、イメージ・コンサルタントとして成功したラス(ブルース・ウィリス)。そして本人は気付いていませんが、家族も親友もなく孤独な生活。そんなラスの前にいきなり7歳の子供ラスティ(スペンサー・ブレスリン)が現れます。ほどなくそれが32年前の自分だと気付きます。が、それは、いじめられ、あるいは家族の絆を失った忌まわしい過去そのものでした。
 物語は二人が起こす騒動をコミカルに描いていきます。が、やがてラスは考えます。なぜ32年前のラスティが自分の前に現れたのか、と。そして思い至るのです。今の自分に何かを気付かせるためにラスが現れたのではないか? そこから物語は、今度はラスの時代、つまり32年前に戻り、二人は未来を変えるべく、いじめっ子ヴィンスに立ち向かいます。そして更なる奇跡が起こることになるわけです。
 日本とアメリカの違い、といえるのでしょうか。社会的に成功した人物が、幸福を感じることができず自分を憐れむ。ハリウッド映画ではよくこのような設定がなされます。日本なら、社会的に落ちぶれ、財産もなく家族もなく、という設定になるところでしょう。本作のようなシチュエーションの映画で、今ひとつ感情移入しきれないのは、やはり文化の違いが大きな原因のようです。
 安心健全という一方、ややインパクトが薄いような、と感じてしまうのは、そんなことも影響しているのでしょう。そしてブルース・ウィリス。この時点ですでにアクション・スターというレッテルを払拭して久しいのですが、やはり屈強なイメージが強く、いじめられっ子というにはちょっと違和感があります。このあたりはキャスティングの難しさなのでしょう。
 本作はシチュエーションがシチュエーションだけについ現実に戻ると興ざめになりがち。が、最後まで集中して見ることができればなかなかの感動作となります。特に夢というテーマを終始描き切っているのは見事なところ。社会的に成功したラスに友人のディアドレが言います。「夢をつかめない子供はいくらでもいる。大事なのは夢に近付く努力なのだ」、と。大人は夢に挫折した苦味とともに、そして子供は夢を追う希望とともに、ほんの少し元気がもらえる映画、と呼べるでしょうか。

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 とにかく出演作が多いブルース・ウィリス。が、高い人気の割には評価は今ひとつ。本作同様子役と絡んだ「ノース/ちいさな旅人」(1994)もそのひとつ。ただしこの映画では脇役。やはり子役と絡んだ 「シックス・センス」(1999) は逆に非常に高評価。実力というよりは、作品によって向き不向きがくっきりと出てしまうスターではあります。

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