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禁断の惑星Forbidden Planet(1956年/アメリカ/98分)
cinema review ![]() STORY
宇宙船アンドロメダ号が間もなくアルタイル第四惑星に着陸するところ。地球に似た環境を持つこの星では、20年前に宇宙船が消息を絶っていました。その乗組員を捜すのがここでの任務。ほどなく、その一人であるモービアス博士から連絡が。しかしなぜか自分を残して去るよう忠告してきます。不審に思いながらアダムス船長たちは博士の家を訪れると、そこには博士が作った万能ロボット・ロビーと美しい娘のアルテアが一緒に住んでいました。
他の者は皆正体不明の怪物に襲われ死んでしまったと言うモービアス博士。そして、二万年前にも、より科学の進んだ先住民クレル人が一夜にして謎の滅亡を遂げたことも知らされます。博士は、そのクレル人の遺した科学力の分析に力を注いでいたのでした。さらに家の奥深くにあるクレル人の研究施設に案内された船長。見たことのない様々な計器や装置を目にします。 そんな中、アダムス船長の宇宙船を何者かが襲い、船員の一人が殺されてしまいます。足跡から想像される怪物の姿は、進化の法則からは考えられないでたらめな生き物。さらに別の日、警戒を強める中、怪物は再び襲ってきます。目にも見えず、レーザーも効かず、さらに三人が命を落としてしまいます。ほどなくクレル人の遺したある装置に思い当たったアダムス船長はモービアス邸へ。そこで "イドの怪物"の存在を知ったのですが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
もはや伝説になりつつあるSF映画。古典であり金字塔であり、さらにはバイブル的な存在。時は遠い未来。最初から最後まで舞台は未知の惑星。未知の技術を扱い、未知の怪物が登場。つまりは100%SF印の娯楽作。が、一方では科学の進歩では解決できない人間の醜さが生む悲劇を描いたSFドラマでもあります。
物語は、20年前に消息を絶った宇宙船の行方を追ってある惑星に着陸したアダムス船長(レスリー・ニールセン)と隊員たち、彼らのであった未知の怪物の恐怖を描いたもの。その後、姿かたちを変えて何度も使いまわされることになった、この "イドの怪物" は、今では呪文のような言葉。海洋SF「スフィア」では堂々とこのモチーフが再現されています。何せ半世紀前のこと。宇宙人とモンスターが一緒くたにされていた時代に、目に見えない怪物という視点はまあたらしいもの。しかし、人間の心の醜さから生まれるその正体は、シリアスにとらえれば、あらゆるモンスター以上の恐怖を感じざるを得ない存在だと言えます。このあたりは、本作の懐の深さと言えるでしょうか。 一方、宇宙船やロボット・ロビーには当時の子供たちが夢中になったと言います。アルテア(アン・フランシス)のセクシーさにも注目が集まったことでしょう。効果音を音楽に見立てる手法などは今でも新鮮。が、最先端であるはずのロビーの動きの鈍さやアナログ的な計器の数々、未来が舞台なのに登場人物たちが古い道徳観念に縛られていることなど、さすがに色褪せは目立ちます。とはいえ、本作の名作たる所以はその背景にこそあります。 それは科学は発達するが、人間の心が進化したわけではない、というギャップ。とりわけ愛と憎しみ。その対極が生む矛盾がさりげなく描き分けられています。最後はそれを象徴するシーン。自分の奥底にある憎しみと娘への愛との狭間で苦悩する科学者・モービアス(ウォルター・ピジョン)の姿は、本作の本質を見事に伝え切っています。それは永遠に変わらない人間の心の弱さと科学を妄信することへの警鐘と言えるでしょう。 全体を改めて見てみると、娯楽性とテーマ性、人間描写と背景設定など、非常にバランス感覚の優れた作品であることが分かるのではないでしょうか。まあ、刺激の強くなった後の映画と比べると、インパクトでは一歩も二歩も譲りますが、本作は映画史上最もユニークなもののひとつと言わねばなりません。SF好きなら一度は味わっておきたい作品ではあります。 |
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50年代は斬新なSF映画が次々と登場した時期。その多くが後にリメイクされていることが、魅力の証明。「宇宙戦争」(1953 / ジーン・バリー主演)もそのひとつ。空飛ぶ円盤に宇宙人、侵略、と、SF映画の王道を確立した映画でもあります。
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