Index |
Information |
|||||||||||||||||
黒猫の怨霊Tales Of Terror(1962/アメリカ/90分)
cinema review ![]() STORY
【怪異ミイラの恐怖】
広大な屋敷にひとりで住むロックの元に娘のレノーラが16年ぶりに会いに訪れます。妻のモレラはレノーラの出産が元で死亡。ロックはレノーラのせいにして寄宿舎に入れたままにしておいたのでした。いまなお、嘆きながら過ごすロックはレノーラを歓迎しませんでしたが、その日帰るすべのないレノーラは、仕方なく一晩泊まることに。そして屋敷をさまよううちに、ミイラ化したモレラが横たわっているのを発見してしまい ・・・。 【黒猫の怨霊】 妻アナベルから金をせびっては酒を飲み歩く亭主のモントレソー。ある時、金がなくなって酒場を追い出され、さまよう歩くうちにワイン商人たちの試飲会場を見つけ、そこにいた紳士フォルチュナトと利き酒を始めます。が、酔いつぶれてフォルチュナトに送ってもらう羽目に。以来、なぜか聞き分けの良くなったアナベル。しかしモントレソーはそんな妻を不審に思い始めます。そこで家を見張っていると、フォルチュナトと不倫をしていることを知るのでしたが ・・・。 【人妻を眠らす妖術】 余命いくばくもないヴァルデマーは、死の痛みを和らげるため催眠術に頼ることに。一方で、自分に未練を残すであろう妻へレンの将来を案じ、自分が死んだら、妻に好意を抱く若い医師ジェームズと一緒になるよう妻を説得します。やがてカーマイケルの催眠術が始まり、ヴァルデマーは痛みから解放されますが、間もなく死んでしまいます。が、なぜか魂だけが地上に残り、無気味な声を発するように。カーマイケルはなぜかヴァルデマーの魂を地上に留めようとするのでしたが ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
エドガー・アラン・ポー原作×ロジャー・コーマン監督は当時はおなじみの組み合わせ。本作は三本のオムニバスですが、いずれの作品にも登場してくるのが、これまたおなじみのビンセント・プライス。毎回見せる凝ったキャラクターは名物とも言えますが、本作でも、自滅して命を落とす男、不倫がばれて殺される男、亡霊となってよみがえる男、と、三者三様の多彩な演技を披露してファンを楽しませます。
第一話は「怪異ミイラの恐怖」。ミイラの恐怖を描いたもの。今ではさほど珍しくもないミイラですが、かつては生命の神秘を象徴するモチーフとしてよく使われていました。本作でも、ミイラに宿る魂が自分の娘に乗り移り、理不尽な復讐を遂げようとして悲劇をまねくことになるわけです。 第二話は「黒猫の怨霊」。不倫をした妻と男を壁に閉じ込めた夫が、妻のかわいがっていた黒猫に復讐される物語。黒猫は日本でもそうですが、ヨーロッパでも昔から不吉・邪悪な存在とみなすことがあったようです。おもしろいことに、この話はあまり恐怖感を煽るつくりではありません。むしろサスペンス的な匂いが濃く、時にコミカルですらあります。その中にあって、殺されてしまう二人の不倫という罪に、観客は反感を持ちそうなものですが、それ以上に亭主への嫌悪感を抱かせるつくりで、このあたりはコーマン監督の巧さを感じさせます。 第三話は「人妻を眠らす妖術」。残念ながら邦題は内容を表してはいません。話は、催眠術で痛みを和らげようとした余命少ない男ヴァルデマーが亡くなるが、魂だけが地上に残って苦しむという物語。後半では、催眠術師が、残された美しい妻を自分のものにするため、ヴァルデマーの魂を利用しようとして逆に反撃されることになります。催眠術、というモチーフはいまだに神秘性を帯びたもの。ただし、技術的な側面から見られる現代とは違い、当時は多分に魔術的な印象があったのではないでしょうか。さらに、肉体が死んでいるのに声だけが響いてくるという不気味さ。ショッキングなラストも全編をしめくくるにふさわしい怪奇的なシーンとなりました。 小説にしても映画にしても、インパクトという点では今では見劣りするものになってしまいましたが、いずれも古典的味わいを楽しみたいところ。仰々しいシチュエーションづくりも十分原作の雰囲気を伝えているのではないでしょうか。最近はメジャー系ではめっきりつくられなくなった怪奇映画。オールド・ファンには懐かしむ楽しみもあるかもしれません。 |
![]() (エスピーオー) amazon DVD link
more review ...
|
|||||||||||||||||
www.sasaraan.net |
・・・ |
(c) morijoh |