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恐竜100万年

One Million Years B.C. (1966年/イギリス/104分)

[監督]ドン・チャフィ
[脚本]マイケル・カレラス、(オリジナル脚本: ミッケル・ノバック、ジョージ・ベイカー、ジョセフ・フリッカート)
[撮影]ウィルキー・クーパー、レイ・ハリーハウゼン(特殊視覚効果)
[音楽]マリオ・ナシンベーネ
[出演]ラクエル・ウェルチ、ジョン・リチャードソン、パーシー・ハーバート、ロバート・ブラウン、マーティン・ベスウィック、 ジーン・ウラドン、リサ・トーマス

[内容]

 紀元前100万年。山の部族のトゥマクは族長との争いに破れ放浪。海にたどり着き、穏やか出より進んだ文明の海の部族と出会う。粗暴なトゥマクも優しい気持ちになっていくが、ふとしたことから喧嘩を起こし追放される羽目に。そして自分を慕うルアナと共に山へと戻って行くのだったが ・・・。ラクエル・ウェルチがセクシーな姿を披露した古代歴史映画。ただし時代考証はいい加減。一方でレイ・ハリーハウゼンの特撮は必見。今ではすっかりB級映画扱いだが意外に見所は多い。
[評価]★★★☆☆

cinema review

STORY

 紀元前100万年。あるところに山の部族があり、長・アコバにはサカナとトゥマクという二人の息子がいた。しかし親兄弟の間に愛情はなく、弱肉強食の世界だった。ある時、食料を奪い合い、アコバとトゥマクが争いを始める。そしてその最中に、トゥマクは崖から落ちてしまう。
 しかしトゥマクは死んでいなかった。やがて気が付き、放浪の旅をはじめる。途中、大トカゲや巨大グモ、猿人や恐竜に出会いながらも逃げ延び、ついには海へと至るのだった。が、そこで気を失い倒れてしまう。
 海岸には海の部族がおり、長・アホットのもとに平和に暮らしていた。部族の一人、ルアナは倒れているトゥマクを発見。部族の住む洞窟に連れ帰り、看病するのだった。
 その頃、山の部族の男たちは、獲物を追って山の上へと駆け上っていた。しかし先頭を切っていたアコバは足を滑らせて崖から落ちそうになってしまう。そこにサカナが追いつくが、サカナはアコバを崖から落とし、みずから部族の長に納まる。反対するものは力でねじ伏せた。
 やがて意識を取り戻したトゥマクは、見慣れない海の部族に戸惑いつつ、壁画、染料、針、槍、貝の装飾など見たことのない道具に驚く。海の部族は、山の部族よりも進んだ文明を持っていたのだ。トゥマクは山にいたとき同様、最初は野蛮に接していた。しかし穏やかな海の部族の雰囲気に慣れ、徐々に優しい気持ちを育んでゆくのだった。
 が、ある時、アホットの槍が欲しくて奪おうとしたことから争いとなり、部族から追放されてしまう。トゥマクに思いを寄せていたルアナもトゥマクに付いて行く。そして二人は山の部族を目指し、荒地へと足を踏み入れる ・・・。

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COMMENT

 日本に円谷英二あり、と言うならば、海の向こうは、レイ・ハリーハウゼン、ということになるでしょうか。シンドバッド・シリーズはその代表作。日本映画の十八番ははミニチュアと被り物でしたが、ハリーハウゼンの特徴は、人形をわずかに動かして一コマづつ撮影するストップモーション・アニメーションでした。本作でも同じ技術が使われています。さすがに現在の特撮とは比べるべくもありませんが、特撮の一時代を築いたことは確かで、その後の世界の特撮映画に、はかり知れない影響を与えたと言われています。
 映画の方ですが、現代ではB級映画として有名となっています。多くの批判が集まったのが時代考証の矛盾。恐竜が絶滅したのは6500万年前ですから、紀元前100万年には存在するはずがありません。しかし本作には、トリケラトプスやプテラノドンなどが登場しています。さらに人間の方も、まだ猿人や原人の時代とされていますので、新人がいたかどうかは大きな疑問です。ただ、当時の歴史映画はさほど時代考証に忠実ではありませんでした。また、本作が「紀元前百万年」(1940)のリメイク作品であることも一因と言えます。新たに脚本化したようですが、ここでも歴史的なリアリティは重視されなかったことが分ります。
 物語の主人公は山の部族の一人、トゥマク(ジョン・リチャードソン)。互いに争いあう山の部族内での戦いに敗れ放浪の旅に。やがて海の一族と出会いますが、彼らは互いに援け合う文明の進んだ部族でした。しかし他人の槍を奪おうとしたことから追放され、彼を慕うルアナ(ラクエル・ウェルチ)と共に、再び山へと帰って行きます。そしてそこには、更なる争いが待っていたというわけです。
 本作の見所は? と聞かれ、多くの人は「ラクエル・ウェルチ」と答えるのではないでしょうか。当時有名だった肉感的な美女で、製作側がこれを売り物にしたことは確かでしょう。脇役にもかかわらず、オープニング・タイトルのキャスト欄では、先頭にラクエル・ウェルチの名前が流れます。作中では全編布ビキニ姿で露出の高い衣装。この手の映画のお決まりは、もちろん女性同士の格闘、などというとマニアと言われそうですが、本作にはしっかりと格闘シーンが挿入されています。筆者も恥ずかしながら、子供時代に見て興奮したものです。
 ストーリーはシンプルなもので、シチュエーションも荒漠たるもの。セリフは名前をしゃべるくらい。この時代に言語があったのかどうかも疑問が残りますが、まともな会話ができるほどには発達しておらず、しかし名前だけは皆持っている、というのが面白いところ。トゥマクが海の部族と出会うと、アホットとルアナから名前を教えられるシーンは特に印象的です。
 とにかくも、不思議と見所が多い映画であることは事実で、恐竜や巨大生物、火山の噴火、もちろんラクエル・ウェルチも。いまとなっては歴史の矛盾を粗探しする楽しみ方もあります。いや、本音を言えば、そもそも100万年前と6500万年前の違いなどわからない! などというと歴史家に怒られるでしょうか。今はB級扱いですが昔は一大スペクタクル・ムービーだった本作。比べれば今の特撮は凄いんだなあ、と、最後には技術の進歩に思い至るのでした。

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ドン・チャフィ
「アルゴ探検隊の大冒険」
「名犬ラッシー ロッキー山脈を越えて」
ラクエル・ウェルチ
「バンドレロ!」
「三銃士」(1973年版)
「女ガンマン 皆殺しのメロディ」
ジョン・リチャードソン
「燃える洞窟」
「炎の女」
「幸せの咲く樹」


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