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スミス夫妻Mr. And Mrs. Smith(1941年/アメリカ/95分)
cinema review ![]() STORY
ニューヨーク。弁護士のデビッド・スミスとアンは結婚して三年。たまの夫婦喧嘩があっても、仲直りするまで二人とも寝室を出ないというルールによって乗り切っていた。その日は三日がかりの仲直りのあと。が、その朝、もう一度生まれ変わったら独身がいいと言うデビッドの言葉に、アンは寂しさを隠せなかった。
そんな時、デビッドの事務所に、ディーバーという故郷の役人が訪れる。ディーバー氏によると、役所が手続きを間違った州で行ってしまい、結婚は無効なのだとか。もう一度正しい州で手続きをし直すよう教えに来たのだ。 さらにディーバー氏は、アンが知り合いだと気付いて、アンにも会い事情を説明する。その頃アンにはデビッドから、今夜「ママ・ルーシー」でディナーをしようと誘いの電話が入っていた。そこは二人にとって、忘れ難い想い出の店だった。そして事情を知ったアンは、デビッドがそこで再びプロポーズしてくれると期待するのだった。 が、店は荒れ果てて昔の面影はすっかり消えていた。それでもロマンティックな夜を期待したアンだがデビッドは帰ると言い出し、家でも一向に話を切り出す気配なし。アンはついにしびれを切らし、怒ってデビットを家から追い出してしまう。仕方なく紳士クラブで一夜を過ごすデビッド。そこにいたチャック・ベンソンから仲直りの策を授けられるもうまくいかず、そうこうしているうちにアンは旧姓のクラウスハイマーを名乗りはじめる。一方、事情を知ったパートナーの弁護士、ジェフ・カスターもアンにアタックし始めて ・・・。 ・・・ ![]() COMMENT
ヒッチコック監督のラブ・コメディ。ヒッチコックはサスペンスで有名ですが、サスペンスだけの監督ではないこともまた映画ファン周知の事実。サスペンスできちんとドラマの部分も描いていることからもそれはわかります。が、本作は中でも珍しいソフィスティケイテッド・コメディ。しかし、ヒッチコックのセンスってどうなの? という一篇で、やや好みは分かれるところかもしれません。
物語の舞台はニューヨーク。デビッド(ロバート・モンゴメリー)とアン(キャロル・ロンバード)のスミス夫妻は結婚三年目の仲の良い夫婦。が、ある日、デビッドの許に故郷の役人がやってきて、手続きのミスで結婚は無効、と言われてしまうのです。 いまだよく分らないのが、この役人の役人然とした説明。「ビーチャムは対岸の市でブレンダー郡、しかしブレンダー郡はアイダホ州 ...」という内容。よくは分らないが、ともかく結婚は無効らしい、ということだけは分ります。ところが、役人がたまたまアンの知り合いで、デビッドが知らぬ間に、ついでにアンにも会いに行って同じ説明をしたことから大騒動に発展してしまうわけです。 二度目のプロポーズを期待するアン。焦らすデビッドについにキレてを家から追い出してしまいます。そして、ここから、デビッドの涙ぐましいまでのアンへの再アタックが始まるのです。しかしアンの怒りは解けず、それどころか、こともあろうに、同じ弁護士事務所のパートナー、ジェフ(ジーン・レイモンド)と婚約。紳士クラブにいたお気楽男チャック(ジャック・カーソン)のお気楽なアドバイスを真に受けて試してみるもことごとく裏目。デビッドは、二人の仲を裂こうとストーカー行為に奔っていくことになります。 二度目のプロポーズを焦らしたばかりに散々なしっぺ返しを受けるデビッド。そのおかしくも惨めな、そして女々しい姿に小笑い。そんなデビッドを気にしつつも毅然とした態度でジェフとの結婚に邁進するアン。本当にデビッドと別れるのか? しかし物語は、そんなアンの真意を測りかねる展開でもあります。ラストは仲直りする二人の姿で幕を閉じますが、やや唐突間もあります。この時期、ヒッチコック作品に見られる感情の動きの唐突さが、ラブストーリーに専心したことで、より目立った感は否めません。それが見終わっての中途半端な印象に繋がっているとも見れます。 イギリス時代には多くのラブストーリーやコメディを手がけたヒッチコック監督。サスペンスほどの支持は受けていませんが、いずれも、当時のつくりから見れば堅実ではあります。本作も然り。それでも展開上のインパクトの弱さを感じてしまうのは、ヒッチコックという偉大なネーム・バリューのせいかもしれません。 |
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純粋なドラマとしてはヒッチコック最後の作品となった本作。「レベッカ」、「断崖」、「白い恐怖」など、この時期、叙情色を強めていたことを考えると、本作の製作はうなずけることかもしれません。以降は、サスペンス・ドラマという形でヒッチコックのドラマ・センスを堪能できることになります。
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