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わたしは目撃者

Il Gatto A Nove A Code
(1970/イタリア・西ドイツ・フランス/115分)

[監督]ダリオ・アルジェント
[原案]ダリオ・アルジェント / ルイジ・コッロ / ダルダーノ・サケッティ
[脚本]ダリオ・アルジェント
[撮影]エリコ・メンチェル
[音楽]エンニオ・モリコーネ
[出演]ジェームズ・フランシスカス、カール・マルデン、チンジア・デ・カロリス、カトリーヌ・スパーク、ピエル・パオロ・カポーニ、ラダ・ダシモフ、ティノ・カラーロ、ホルスト・フランク、アルド・レジアーニ、カルロ・アリギエロ、エミリオ・マルケシーニ、ビットリオ・コンジア

[内容]

 ある生化学研究所に泥棒が侵入。その翌日、研究員のひとりが列車事故で死亡する。新聞で研究員の顔を見た少女ローリには見覚えが。盲目の叔父アルノがそれを聞き、記者ジョルダニに連絡。調べ直してみると、事件が殺人であると気付くのだが ・・・。殺人事件に挑む記者と盲目探偵の活躍を描いたミステリー。粗めのプロットで淡白な印象はあるが、一方では犯人探しやスリリングな楽しみも。
[評価]★★★☆☆

cinema review

STORY

 ある夜、生化学を扱うテルツィ研究所で、夜警が殴られ泥棒が侵入。一見盗られたものは見つからず。しかし、所員のカラブレジ博士だけはなくなったものに気付き、犯人と接触することに。が、その日、博士は待ち合わせ場所の駅で電車にはねられて死亡してしまいます。
 翌朝、新聞で列車事故の記事を見た少女ローリが、叔父で盲目の元記者のアルノにカラブレジを見たことがあると言い出します。研究所に泥棒が入った夜、近くを二人で散歩した時だと言います。不審に思ったアルノは、記事を書いた記者ジョルダニの許を訪れます。ジョルダニはカメラマンに連絡。すると、写真のカットした部分にカラブレジを押す手が映っていることを発見。ジョルダニも殺人意見と確信します。が、三人がスタジオへ行くと、カメラマンはすでに殺され、写真は持ち去られた後でした。
 変質者の仕業と言う警察は当てにならず、アルノとジョルダニは協力して真相を探ることに。そしてジョルダニは、所長や四人の助手へ聞き込み、遺伝に関わる画期的な新薬を開発していたことを突き止め、一方では所長の娘・アンナとの仲が親密になっていきます。その頃、カラブレジの恋人だったビアンカも真相を探り始め、ふとしたことから犯人に行き着きますが、その名を告げる前に犯人の毒牙に。さらにアルノとジョルダニの命も狙われ始め ・・・。

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COMMENT

 ダリオ・アルジェント監督初期のミステリー映画。後にホラーで有名になりますが、初期の頃は本作のようなミステリーが中心。同じ手法を繰返し使うのはアルジェント作品の特徴のひとつ。本作でも時折入る瞳のアップは「シャドー」などにも使われています。プロットのおもしろさや緊迫感の演出など、惹き付けられるところも多いのですが、一方では、まだ緩慢さが残るつくりで、ストーリー上の抑揚感もいまひとつかもしれません。
 物語は、ある研究所に泥棒が入るシーンから始まります。が、盗られたものは何もなく、冒頭から大きな謎を提示。さらに、唯一何が起こったのかに気付いたカラブレジ博士が犯人に殺され、連続殺人事件の幕が切って落とされることとなります。一体研究所で盗まれたものは何だったのか。見ている者だけに示されるこの疑問が、最後まで推理のポイントとなります。
 事件に挑むのは新聞記者のジョルダニ(ジェームズ・フランシスカス)。盲目の元記者・アルノ(カール・マルデン)。それに身寄りのないという少女ローリ(チンジア・デ・カロリス)。容疑者は研究所の所長とその娘、四人の助手、殺されたカラブレジの恋人ビアンカ、と、絞られ、犯人探しが始まるのです。しかし、真実に近づく関係者は次々と殺されていき、事件は混沌としていくことになります。
 所長と娘の謎の関係、内部にひそむ産業スパイなど、様々なモチーフを盛り込みすぎてかえって混乱をまねいている結果となっているのは残念。単独犯で、アルノにジョルダニ、ビアンカにブラウン博士、と、一人で同時にこれらを見張っているとしか思えないプロットもやはり荒削りと言わざるを得ません。もともと緻密さには欠けるところの多いアルジェント作品。細かいところを気にして見ていると肩透かしを食らいます。その点、ミステリー風のつくりになっている点は好みが分かれるところではないでしょうか。
 一方、興味を惹く演出はさすがと言えます。スリリングなカットは、瞬間的には見る者の目を留めるには十分。サスペンスとしての雰囲気も随所で味わうことができ、ミステリーの部分とは明暗を分けた感があります。いずれにせよ、もっとコンパクトに凝縮していれば、よりスリリングになったかもしれません。平凡という声の多い本作ですが、犯人の動機や終盤の畳み掛ける展開など、着想には驚かされる点もあり、決して愚作ではないでしょう。一筋縄ではいかないダリオ・アルジェントの片鱗は、一応は味わえたのではないでしょうか。

(ハピネット・ピクチャーズ)
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ダリオ・アルジェント関連作
(サスペリア、フェノミナ)

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 D・アルジェント監督はホラーで有名ですが、ミステリーやサスペンスでも本領を発揮。「シャドー」や「サスペリア2」などはミステリー作品の良作です。

www.sasaraan.net

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