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一番長いデート(いちばんながいデート)
- 著者 : 赤川次郎
- 発行 : 集英社文庫
- あらすじ ...
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大学の同級生竹本から、ダブルブッキングしたから一方のデートはお前に、と言われてのこのこ"代理"デートに出かけた俊一。見栄えのする竹本に比べて、俊一はもてたためしのないさえない小男。
それでも不機嫌な友美にばかにされながらもコンサートへ行き、何とか代役を努めます。が、分かれた直後に友美は誘拐。犯人の一人が俊一に寄ってきて脅迫します。「恋人の命がほしければ、浜矢という男を殺してこい」と。そして銃を手渡されます。
俊一は竹本に相談しますが、責任を押し付けられるだけ。仕方なく殺す相手のいるビルへと向かうと、なぜかすんなり会えてしまいます。そして銃を発射。約束を果たし何とか友美を取り戻しますが、相変わらず友美には冷たくあしらわれて相手にされません。
がっかりしながら家に戻ってニュースを見てみると、何と俊一の殺した男は別人。しかもまた友美が誘拐されたと言う電話が竹本から来ます。そして、無責任な竹本からまたまた責任を押し付けられることになり、友美の元へ向かうことになった俊一。ようやく知美も俊一を見直し始めるのですが、どうやら二人はやくざの抗争に巻き込まれたようで・・・。
- コメント ...
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今回取り上げるに当たって、先ほど文庫本をひっくり返したらびっくり。昭和57年発行。しかも、集英社文庫、COBALT SERIES、とあります。なんと、この時代、まだコバルト文庫はなかったのか。んーむ・・・。
まあ、それはともかく、本作「一番長いデート」は短編。コミカルなサスペンス。当時の文庫本には「孤独な週末」と「殺してからではおそすぎる」の二本が併載されています。いずれもユーモア・ミステリーの名作。著者はベストセラーの達人、赤川次郎。筆者は最近めっきり読まなくなりましたが、初期の頃はよく読んでおりました。これもそのひとつ。 近頃は、「緻密なプロット+専門知識に基づく描写+硬質な文章」が評価されがちですが、これらは気楽には読みにくい、ややもするとエンターテイメント性が軽視されるという弊害もあります。プロの作家や評論家、ヘビーな読書ファンが読めば良い本なのでしょうが、一般的には、気軽に読んで楽しみたい人が多いはず。そんな欲求を見事に満たしてくれたのが赤川ミステリーということになるのでしょう。 本書もそうですが、読みやすくおもしろい。最後にはスカーッとさせる娯楽性。庶民的にもかかわらず、非現実的なシチュエーションばかりなので、自分の世界に浸るにはもってこいともいえます。表題作も、意外性のあるストーリー、漫才のようなとぼけた会話、テンポの良い展開、と、氏の作品の中でも、その持ち味が際立った作品だと思います。 物語は、スポーツ音痴、三枚目の俊一が八面六臂?の大活躍をするという荒唐無稽な物語です。はじめ彼女に馬鹿にされるは相手にされないはで散々だったのが、最後には見直されて××されるところなどは拍手をしたくなるほど。誘拐犯の間抜けぶりも愉しく描写されています。 ただ、赤川作品で玉に瑕なのが、多くの作品で人物像が"かわりばえ"しないこと。気の強い女性が気の弱い男性を尻に敷く、というのがおきまりのパターンなのです。もっとも、筆者が氏の本を読み漁ったのは初期の頃だし、続けて何本も読むことも多かったのでそんなことを感じたのかもしれません。今はそんなことはないかもしれません。 今回、十数年ぶりに目を通しました。ジュブナイルもの、という印象があったのですが、なかなかどうして。十分楽しめてしまいました。まあ、今も昔も気軽に楽しめる小説を探すなら赤川次郎を選んどきゃ間違いない、ということでしょうか。
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