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ロシア皇帝の密約(A Matter Of Honor)
- 著者 : ジェフリー・アーチャー
- 発行 : 新潮文庫
- あらすじ ...
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第二次大戦が終わって間もない頃、ジェラルド・スコットは死刑を待つ戦犯ゲーリングからある書類を渡されます。それから20年。ジェラルドは書類を開封することなく亡くなり、書類は息子アダム・スコットの手に渡ります。ところ変わってクレムリン。KGBの情報部員ロマノフに密命が下ります。"皇帝のイコン"を一月以内に発見せよ。取るに足らない皇帝のイコンに何があるというのか。訝しがりながらもロマノフはイコンの行方を追い始めます。同時に七億ドルもの金塊がソ連からニューヨークに移されたのです。
アダムがゲーリングの手紙を何とか訳し終え分かったこと。"皇帝のイコン"をジェラルド・スコットに寄贈する。保管場所としてスイスのある銀行の名前が記されていました。。アダムはイコンを受け取りにスイスへ行くことにします。残り十日足らず。その頃ロマノフもイコンがスイスにあることを突き止め変装して銀行へ。が、アダムが引き取った後。ロマノフは後を追い、アダムにと一緒にいたハイディを殺してしまいます。しかし殺人犯として警察に追われることになったのはアダムの方。昔馴染みのローレンスに助けを求めます。が、ローレンスが指定した先々にはなぜかロマノフが。誰も信用できなくなったアダムは自力で切り抜けることに。 なぜ自分は狙われるのか。皇帝のイコンに人を殺すほどのどんな秘密があるというのか。やがて偶然からイコンに隠された秘密を知ったアダム。それは、米ソがどんな犠牲を払ってでも狂奔するであろう驚くべき内容だったのです。
- コメント ...
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イギリス文壇のストーリー・テラーの第一人者、ジェフリー・アーチャーの冒険小説。スパイ小説とも呼べます。舞台は東西冷戦時代。ソ連が健在の頃。失業中の平凡な軍人アダム・スコットが父の遺産として受け取ったイコン。実はそれが世界の勢力図を塗り替えるほどの大変なもので、やがて米ソが血眼になって探すようになるのです。イコン、とは聞きなれない言葉かもしれません。宗教的な画像を特にそう呼ぶとのこと。
展開自体にはかなり無理があるのですがどうでしょうか。テレビのヒーローもののように無視してよいものかどうか。アダム・スコットは実は非常に超人的で、驚異的な頭脳と身体能力を持ち、さらに出会う人はすべて彼を信用して協力するというご都合主義の世界。ロマノフは買収するのに何億ドルものお金を用意できるのに、なぜかアダムからはイコンを買い取ろうとはしません。いきなり殺して奪おうとするのです。こんな風にさすがに首をひねってしまうところがちらほら。 しかしストーリーはおもしろいのです。おもしろさだけなら超一級といってもいいでしょう。イギリス特有のたとえや一度に人物をずらずらっと登場させるなど、ややとっつきにくい文章ながら、先が気になって仕様がないつくり。読み始めたら一気に最後まで突っ走ってしまいます。そしてこのような文章は、二度目、三度目でも楽しめるもの。一回目はおそらく筋を追うのに夢中。そして次は、まあ、じっくりと行間を読むのもよし、粗読みして再び筋を楽しむのもよし。 巻き込まれ型のサスペンスとしては、映画でいうならヒッチコックばり。通勤の電車の中など、暇つぶしで読み始めると一日中先が気になって欲求不満になるかもしれません。
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